更新日: 2024.10.10 家計の見直し
今やっておきたい今年の家計の見直しを解説
そうなれば、家にいる時間が当然長くなるでしょう。憂鬱(ゆううつ)に思われるかもしれませんが、逆にこれは天が与えた貴重な時間ととらえて、思い切って家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
2020年もすでに3ヶ月以上、つまり4分の1以上が過ぎてしまいましたので、ここで一度家計を振り返ってみるのも良いですし、4月から新年度ととらえて、2020年度の家計をどのようなものにするのかを考えても良いでしょう。
執筆者:岩永真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/
見直しにはまずは実績を確認
みなさまは家計簿をつけているでしょうか。面倒だからと省いてしまうと、これまでどんな支出をしてきたのかという記録が、まったくないことになります。
支出がわからない中で、予算を立てるのはとても難しいことです。例えていうならば、パーティーにどれくらいの人数が集まるかもわからずに、会場と料理を注文しようとしても見通しが立たず難しいのと同じです。
家計簿をつけてない方は大まかで良いので、食費、日用品などと10くらいの費目に分けて、ひと月にだいたいどのくらいのお金がかかっているのかを把握してみてはいかがでしょう。最近では、家計簿アプリなどでレシートを撮影すると、勝手に費目別に分けてくれるものもありますので活用してみてください。
家計簿をつけている方は、費目ごとに予算を決めていますか? 決めている方は、1~3月の四半期に予算内で支出が納まっているのかどうか、確かめてみましょう。
予算を立てていなければ、費目ごとの支出を確認してみます。突出して大きい支出があるものがあるか、それは今年に限ったものなのか、ずっと続くものなのか、使いすぎていると感じる費目はあるか、などをチェックしてみてください。
理想の収支を考える
費目ごとに確認した際に、使いすぎているもの、削りたいものは見つかりましたか。予算を立てている場合は、予算オーバーした費目を洗い出して、なぜ予算を超えてしまったのか、原因を探ります。
予算を超えている費目をさらに詳しく見ていきましょう。3ヶ月連続して予算をオーバーしているのか、それとも臨時支出などがあったためにオーバーしたものなのか、を判断します。
もし、3ヶ月連続してオーバーしているようであれば、予算枠が厳しすぎるのかもしれません。少し余裕を持たせるように、いくらか予算の金額を上げてみても良いかもしれません。
その際は、他の予算を使い切っていない費目から、忘れずにその分を減らしておきましょう。こうしてプラスとマイナスを操作しながら、理想の貯蓄額を捻出できるように予算を調整していきます。
予算を立てる目的とは、最終的に目標とする貯蓄額を無理やムダなく築いていくことなのです。
見直した後は予算にそって実行あるのみ
予算を決めたら、後はその予算の枠に収まるようにお金を使うのみです。予算があるとお金を使えない印象を持つかもしれませんが、そうではありません。
ひと月の予算を決めたら、それを4で割ると1週間の予算がわかります。1週間の予算を7で割れば1日の予算がわかります。その予算の範囲で使ってさえいれば、ひと月後に目標の貯蓄が自動的にできる仕組みなのです。
つまり、予算内であれば全部使って良いお金、と解釈すれば安心してお金を使えるし、貯蓄もできるのです。目標とする貯蓄額は、その利用目的によって変わってくると思われますが、月の収入の1~2割は目指したいところです。
奨学金の返済などがあり、まだ社会人年数が浅い方は、返済額を含めての貯蓄額でも良いでしょう。慣れてきたら、奨学金を返還しながら徐々に貯蓄もできるように、予算を考えてみるのはいかがでしょうか。
1~3月に家計簿をつけていない人は、1年間の枠にとらわれず、思い立った今からでも始めてみても良いでしょう。予算を決めて理想の貯蓄ができる仕組みをつくるのは、じっくり家にいられる今が絶好の機会かもしれません。
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士