こんなときこそチャンス! 週末は<お家の資金計画>を立ててみよう
配信日: 2020.06.06 更新日: 2024.10.10
執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)
ファイナンシャル・プランナー
大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。
お家の資金計画を立てるため道具とは?
いざ「お家の資金計画」を立てようとしても、何をすればよいのか分からない方もいると思います。そういった方は「キャッシュフロー表」を作成してみましょう。「キャッシュフロー表」とはどのようなものか、【図表1】にエクセルで作図したモデルを示します。
【図表1】
(キャッシュフロー表 筆者作成)
「キャッシュフロー表」の作成にあたっては、疑問点があると思いますので、「キャッシュフロー表」の作成手順や注意点について解説していきます。
手順その1 ライフイベントの把握
1.ライフイベントとは?
ライフイベントとは、「夫が定年退職をする」などといった、年齢に応じて発生するイベントのことです。
2.ライフイベント(【図表1】の水色部分)の記入上の注意点とは?
ライフイベントを記入するにあたって、注意点がいくつかあります。以下の通りです。
(1)ライフイベントを記入しやすくするため、12月31日現在の家族構成年齢を記入
(2)前述した年齢にあったライフイベントを記入
手順その2 家計の収入の集計
1.家計の収入とは?
「キャッシュフロー表」に記載される「収入」は、【図表1】のオレンジの部分にあたります。そして、「収入」には以下のようなものがあります。
(1)会社などからもらう給料
(2)年金(国民年金・厚生年金保険料・厚生年金基金)
(3)親などからの贈与金(援助)
2.各収入を集計するときの注意点とは?
家計の収入を記入する際は、以下の点に注意してください。
(1)給与に関しては、「手取り額」ではなく、「年収」を集計
(2)年金定期便を参考にして、キャッシュフロー表作成時点の年金支給額を集計
(3)お金の贈与(援助)が予定されている金額の集計
なお、(1)と(2)は、夫婦別に集計し、(3)は、「その他の収入」に集計しましょう。
手順その3 家計の支出の集計
「キャッシュフロー表」に記載される「支出」は、【図表1】の黄緑の部分にあたります。基本的には、【図表1】の項目に該当するものを集計することになります。なお、基本生活費は、次の式で算出します。
毎月の手取り収入-基本生活費以外の支出-貯蓄=基本生活費
キャッシュフロー表の分析方法
ここまでで、「キャッシュフロー表」が完成したと思います。「キャッシュフロー表」を作成し終わると、それを分析することで、いよいよ「お家の資金計画」を立てることができます。ここで、「キャッシュフロー表」を利用した、「お家の資金計画」を立てるにあたっての注意点を見ていきましょう。
1.年間収支が赤字になっていないかチェック
年間収支は、【図表1】の黄色の部分に記載されます。年間収支が「赤字」ということになると、「貯蓄を切り崩している」状態といえます。この状態だと、将来の老後生活などの目的で積み立てているはずの貯蓄ができなくなります。
2.お家の資金計画の修正方法とは?
「キャッシュフロー表」を作成して、年間収支が「赤字」で、貯蓄を長期にわたり取り崩す状態になっている場合は、まず、「固定費」を削減できないか考えましょう。
「固定費」とは、家賃、携帯電話料金、保険料など、毎月支払いが決まっているものです。これらのうち、削減可能なものから減らすとよいでしょう。また、「収入」を増やすことも大切です。具体的には、妻がパートで働いたり、資産運用をすることです。
まとめ
「キャッシュフロー表」を作成すると、家計の「無駄」が浮き彫りになります。それを分析し、修正していくことで、「お家の資金計画」を家族の希望に沿ったものにすることができます。
「キャッシュフロー表」を作成して、「お家の資金計画」について疑問点があった場合には、身近なファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
執筆者:伏見昌樹
ファイナンシャル・プランナー