更新日: 2024.10.10 その他家計
コロナショックは家計のスリム化のチャンス!そして自分の仕事を伸ばすチャンスかもしれない
食料品費・光熱水道費・家事用消耗品費・通信費・自動車等関係費が増え、旅行レジャー費・外食費・交通費・被服および履物費・交際費が減っています。
総務省の家計調査によると、二人以上世帯の消費支出は、2019年3月の30万9274円から2020年3月の29万2214円と実額にして、1万7000円ほど減少し、2020年4月は26万7922円とさらに2万4000円以上も減少しています。
新型コロナのため、早くも家計支出の構造変化が始まっているようです。
これは、とりもなおさず、家計を見直すことで、今後の社会の変化に応じたスリム化を行うチャンスということができます。
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
新型コロナによる家計消費の変化を分析すると
新型コロナによる家計消費の変化を一言でいうと、除菌・衛生や人と接触を減らすことに関する経費が増え、人と接触することで成立していた活動に関連する費用が減っているということができます。
増加した費用 | 増加の理由 |
---|---|
増加した費用 | 外食が減り、自宅での食事が増えた |
光熱水道費 | テレワークなどにより自宅滞在時間が増えた |
家事用消耗品費 | 除菌剤・消毒剤などの購入費用 |
通信費 | 携帯電話・パソコンなどIT関連費用 |
自動車等関係費 | 人との接触を避けるため、電車・バスなどの使用を避け、自動車を使うようになった。 |
減少した費用 | 減少の理由 |
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旅行・レジャー費 | 海外・国内旅行の減少 |
外食費 | 人との接触を避け、外食は控える傾向 |
交通費 | 電車・バス・飛行機など、人との接触を伴う移動手段は極力避ける |
被服および履物費 | 外出機会が減ったため、新調のニーズも減った |
交際費 | 外食を伴う接待が減り、贈答も減った |
新型コロナは感染症ですし、全世界で起きているので、この傾向はしばらく続くものと思われます。また、新型コロナが収まった後でも、人との接触を抑制する形でアフター・コロナの社会が作られていく可能性があります。
家計消費の変革期はスリム化をするチャンス
家計簿をつけている方は、昨年の家計簿と今年の家計簿を比べてみてください。あなたの家計簿にも、総務省の「家計調査」(※)と同様の変化が表れているでしょうか?また、支出自体減少しているでしょうか?
そうであっても、そうでなくとも、まず家計簿を分析してみましょう。いくつかの例を挙げてみます。
1.外食費を抑えている人は、これからも外食費を抑えて家計のスリム化を考える。
2.携帯電話やパソコンの費用が増えている人は、それによって交通費や被服費がどれだけ抑えられたかを計算してみる。これからも事情が許せば、テレワークにすることにより、かなりのコスト削減や合理化ができるかもしれません。
3.IT機器のコストダウンを考える。例えば、格安スマホに乗り換えるとかなりの費用が削減できる。
4.それとは逆に、他の費用のコストダウンになるのなら、IT関連機器やサービスは少し高くとも信頼できるものに切り替える。
5.今まで高かったマスクや消毒液もこれから値崩れして安くなる可能性があるので、そのときは必要な量を購入する。
このようなことを通じてコスト削減の可能性を検討したら、それを長期的に定着させる方法を考えましょう。社会の構造の変化に合わせて、自分の家庭もコストダウンも行うのです。
アフター・コロナに向けて自分の仕事の成長分野を見極める
同様のことは自分の仕事についてもいえます。自営業の方であれば、この変革時期の方向性を見極め、今後伸びる仕事と衰えていく仕事を確認しましょう。
居酒屋をケータリング専門店に変えた人もいます。この変化を災厄と捉えず、むしろチャンスと考えて、自分自身の仕事を伸ばすきっかけにしましょう。
サラリーマンの方も、この変化をじっくり見て、あなたの会社でどの分野が伸びそうか上司に提言したり、伸びそうな分野への配転を希望することも考えてみましょう。
参考
(※)総務省 家計調査報告-2020年(令和2年)4月分-
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー