更新日: 2020.04.06 贈与

贈与税を軽減できるチャンス!かわいい子や孫に最大3000万円の住宅資金を非課税贈与できるって本当?

執筆者 : 高橋庸夫

贈与税を軽減できるチャンス!かわいい子や孫に最大3000万円の住宅資金を非課税贈与できるって本当?
祖父母や父母(直系尊属)から子どもや孫に住宅の購入、新築、増改築等の資金を贈与する際に、一定条件を満たすと贈与税が非課税となる制度、いわゆる「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」があります。
 
これまでも契約時期や一定基準を満たす住宅などの条件により、贈与税非課税という大きなメリットがありました。
 
今回さらに、消費税率が10%になることを契機として、非課税枠の上限が期間限定でこれまでの最大値から倍増となる、3000万円に設定されます。
 
かわいい子どもや孫に、自分の資産を計画的に移したいとうずうずしている資産家の皆様には、合法的に贈与税を軽減できる絶好のチャンスです。今からしっかりと計画しましょう。
 

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高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

期間限定で贈与税の非課税枠が3000万円となる条件

贈与税の非課税枠が3000万円となる条件は、
 
(1)消費税10%の物件であること(住宅の購入、新築、増改築)

(2)期間限定:契約締結時期が2019年4月1日から2020年3月31日であること
2019年3月31日までに契約した物件は、たとえ引き渡しが消費税10%増税(2019年10月1日)以降でも税率8%が適用されます。

(3)一定基準を満たす住宅であること

一定基準とは、耐震住宅(耐震等級2以上または免震建築物)、エコ住宅(省エネ等級
 
4または一次エネルギー消費量等級4以上)、バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3以上)
 
のいずれかを満たす住宅とされています
 
また、一定基準を満たす住宅以外の一般住宅の場合でも、上記(1)(2)の期間で非課税枠が2500万円まで利用できます。
 

もし、このチャンスを逃したら

現行の制度で見た場合、住宅取得等の契約締結時期が上記(2)の期間を過ぎ、2020年4月以降となった場合、適用できる贈与税の非課税枠は同一の条件で1500万円に半減します。
 
仮に、基礎控除などを考慮せず、単純に差額の1500万円に掛かる贈与税は410万円(特例贈与で税率40%)となります。
 
極端な言い方をすれば、同じ3000万円の住宅資金の贈与をした場合に、たった1日でも過ぎてしまうと約400万円の贈与税の負担の違いが生じてしまう可能性があるということです。
 

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その他の条件にも注意が必要

住宅取得等資金贈与の非課税を受ける場合の、主な条件を再度確認しておきましょう。
 
最も注意を要する点としては、贈与の翌年の3月15日までに住宅の引き渡しを受け、遅滞なく居住しなくてはならない点です。また、3月15日までに贈与税の申告が必要です。
 
(1)贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、購入、新築、増改築等を行った物件の残金決済・引き渡しを行って、住宅を所有すること

(2)贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、当住宅に居住すること。または、その後遅滞なく入居することが確実と見込まれること
 
また、受贈者および物件の条件として、以下のようなものが挙げられます。
 
(1)受贈者が贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること

(2)受贈者の年齢が贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること

(3)住宅の床面積(登記簿面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること

(4)中古住宅の場合は、築年数要件(耐火建築物は築25年以内、木造は築20年以内)、一定の耐震基準を満たすもの、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもののいずれかを満たすことが条件。

(5)増改築の工事費用は100万円以上であること

(6)家屋等の床面積の2分の1以上が居住用部分であること
 

まとめ

相続対策を検討している資産家の皆様にとって、生前に計画的に贈与し、親族に資産を移していく方法は最も効果的な相続対策の手法であるといえます。
 
さらに、非課税枠が最大限使えるのであれば、またとないチャンスといえるでしょう。当然ながら、住宅購入時の消費税率が10%となる時期と重なるため、受贈者であり、住宅を取得する子や孫の負担が増加することについても考慮しなくてはなりません。
 
今後の税制改正の動向や詳細な適用条件、手続き等については、税理士などの専門家の支援、アドバイスの下で進めていくことをお勧めいたします。
 
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士