最終更新日:2019.01.11 公開日:2018.10.18
相続

妻への「感謝のしるし」 生前贈与で税金を抑える方法とその注意点とは

妻への「感謝のしるし」として、生前にすべての財産を移転してしまえば、相続税を払わなくて済みますが、贈与税が課税されます。
 
しかし、配偶者への贈与税の特例をうまく使えば、余計な贈与税を払わなくてもいい方法があります。通称「おしどり贈与」と呼ばれるものです。
 
贈与税の基礎控除110万円とは別に、2000万円の配偶者控除を受けることができますので紹介します。あわせて、申告書の提出や相続税との関係などいくつか注意する点がありますので、確認しましょう。
 
堀江佳久

執筆者:

Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

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堀江佳久

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Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

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贈与税の配偶者控除(通称、おしどり贈与)はどうしたら受けられるか?

■適用の条件

(1)婚姻期間が20年以上あること。正確には、婚姻の届け出をした日から贈与する日までの期間が20年以上あることが必要です。

(2)贈与財産が日本国内にある土地、建物等の居住用不動産、または居住用不動産を購入するためのお金であること。つまり、いま住んでいる自宅だけでなく、新たに住宅として不動産を購入するためのお金を贈与する場合も対象になります。

(3)贈与を受けた翌年の3月15日までに、その住居用不動産に居住しており、かつ、その後引き続き居住する見込みであることが必要です。

(4)同じ配偶者から過去にこの特例を受けていないこと。つまり、おしどり贈与は、同じ配偶者に対して一生に1回だけ適用可能になります。
 

■申告書の提出が必要

贈与税には、もらう人、1人当たり年間110万円の非課税枠(基礎控除)がありますので、おしどり贈与とあわせると2110万円までなら贈与税がかかりません。
 
しかし、贈与財産が2110万円以下で贈与税がゼロであっても申告書の提出が必要です。
 
特例の適用を受けるためには、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告書を提出しなければなりません。申告してはじめて特例の適用を受けることができます。
 

おしどり贈与で気をつけなければいけないこと

■相続税との関係(もち戻し)

現行民法では、ほかの相続人との公平性のため、「おしどり贈与」を特別受益として、その受益分を法定相続分から減らすという決まりがあります。
 
これを「もち戻し」といいます。例えば、2000万円をおしどり贈与した夫が、妻と子供1人に3000万円の財産を残して亡くなったとします。
 
法定相続割合は、妻と子供で、それぞれ2分の1になりますので、1500万円ずつとなります。しかし、おしどり贈与分も財産として計上されますので、財産の合計は、5000万円になります。
 
したがって、妻と子供のそれぞれの取り分は半分の2500万円になります。妻は、すでに2000万円の贈与を受け取っているので、その差し引き分の500万円の財産しか相続できなくなります。その点は、気をつけなければなりません。
 

■「もち戻し」の免除

夫が遺言などで「もち戻し免除」の意思表示をきちんとしていれば、もち戻しをされることはありません。しかし、多くのケースでは、意思表示が明文化されておらず、トラブルの種になりかねません。
 
そこで、2019年7月12日までに施行される改正民法では、婚姻20年以上の夫婦間で贈与した居住用不動産について、もち戻し免除の意思表示があったと推定することになり、残された妻の生活を手厚くする方向に改正されます。
 
ただし、自宅を取得する資金については、対象にはならないので、注意が必要です。
 
妻への感謝のしるしとして「おしどり贈与」を検討してみてはいかがでしょうか?
 
参考・出典:法務省ウェブサイト トップページ>法務省の概要>各組織の説明>内部部局>民事局>民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)
 
Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
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