最終更新日:2019.05.17 公開日:2019.01.13
相続

親から最後の負債 相続したくないので相続破棄・・どうやるの?

親が亡くなり相続が発生し、様々な理由から相続放棄を考えた際、どのようにしたらいいのでしょうか。
 
相続放棄以外の相続方法である単純承認や限定承認のように、遺産を正確に把握する必要が無いので、手続きはそこまで難しくありません。
 

よく考えよう

相続人同士の話し合いの中で「放棄します」と念書を書いて印鑑を押したら、相続放棄したことになるのでしょうか。そうではありません。これだけでは相続人同士以外の人には、相続放棄を主張できないのです。
 
家庭裁判所に相続放棄の申述をして、受理されたら「放棄」をしたことになります。
 
もともと相続人でなかったことになりますので、権利も義務も受け継がなくなります。代襲相続もできません。また、被相続人に負債がある場合、相続放棄の申述が受理されていれば、相続人でないことを債権者に主張できます。
 
相続放棄は、自分に相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内で決めなければなりません。放棄を受理されたら取り消しは出来ません。しっかり考えましょう。
 

どこへ何を提出する?

・相続放棄の申述書
・申し立て添付書類
 
を、『相続される人の最後の住所地の家庭裁判所』に提出します。
「相続放棄の申述書」の用紙は、家庭裁判所の相続の窓口にあります。必要な添付書類や費用についても教えてもらえます。
(裁判所のHPでも、相続放棄の申述書の用紙をDLできます)
 
ところで、誰が申し立てるかによって添付書類が違ってきます。
 
1:被相続人の住民除票又は戸籍附票 2:放棄する人の戸籍謄本は、全ての場合に共通ですが、それに加え、
 
◎配偶者の場合は
3:被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
 
◎子ども、または代襲者(孫、ひ孫)の場合は
3:被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
4:孫・ひ孫の場合は、本来の相続人(被代襲者)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
 
◎父母、祖父母の場合は
3:被相続人の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
4:被相続人の子(と代襲者)で死亡している方がいる場合、その子の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
5:被相続人の直系尊属(相続人より下の代)で死亡している方がいる場合、その直系尊属の死亡の記載がある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
 
◎兄弟、又は代襲者(甥、姪)の場合は
3:被相続人の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
4:被相続人の子(と代襲者)で死亡している方がいる場合、その子の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
5:被相続人の直系尊属の死亡の記載がある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
6:甥、姪の場合は、本来の相続人の死亡の記載がある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
 
が、必要になります。
 
ただし、同じ相続人についての添付書類は1通で足ります。
 
例えば、配偶者と別世帯の子どもが放棄する場合、配偶者が1:被相続人の住民除票又は戸籍附票 2:放棄する人の戸籍謄本(被相続人も同じ戸籍)を出していれば、別世帯の子どもは自分の戸籍謄本を添付するだけです。申述書を提出したら、提出予定の相続人に伝えましょう。添付書類をムダに出さなくて済みます。
 

住民票は同一世帯でないと委任状が必要

ところで、親の住民票を取るためには、同一世帯の「委任状」が必要でした。何も無くても住民票が取れるのは、同一住所、同一世帯の場合のみです。住所が同じでも、世帯が違うと取ることが出来ないのです。やはり、同一世帯の人の「委任状」または同席が必要です。
 
書類を揃え、申述書に記入し、手数料分800円の収入印紙と、連絡用の切手(管轄の裁判所により金額が違います)を用意して家庭裁判所に提出します。
 
申述書を提出後、郵送で「相続放棄確認書」と「回答書」が送られてきます。それに回答して返送しますが、その際、印鑑は申述書に使用したものを使います。直接窓口に本人が提出する場合は、その場で「自らの意志で相続放棄をするのか」と確認されることもあります。
 
問題が無ければ受理され、「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます。これは、再発行が出来ません。もし、無くしてしまった場合は「相続放棄受理証明書」を、一件につき150円の収入印紙で発行出来ます。
 
これにより、第3者に、相続法規をしたことを証明できます。「通知書」ではなく「証明書」を求められることがあります。
 
Text:林 智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
 
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林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。



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