更新日: 2019.06.19 葬儀

人生のフィナーレを安心して過ごす為にはいくら必要なのだろう

人生のフィナーレを安心して過ごす為にはいくら必要なのだろう
いつか来る人生の終幕に備える活動…“終活”。
 
最近では芸能人がエンディングノートを作成したり、荷物を整理する様子などをテレビ番組で紹介し、話題を呼んでいます。
 
どんな人生であれ、最後の最後で慌てたり、遺された人に迷惑をかけないようにしたいですよね。
 
さまざまなかたちで意識されている終活ですが、葬儀にも遺品整理にも費用がかかるもの。そこで今回は、終活とお金について調べてみました。
 
畑美雪

執筆者:畑美雪(はた みゆき)

フリーライター

雑誌を中心に取材やインタビュー記事を執筆中。
これまでの活動場所:タウン誌「湘南百撰」/情報誌「月刊公募ガイド」/WEBマガジン「カーサミアクラブ」

終活にかかる費用って?

“終活”は終わりのための活動です。遺された人の負担を少しでも減らすために大切なのは、生前からの準備。しかし、“終活”と聞いて具体的になにをすればいいか、みなさんはご存じですか? 
 
SBIいきいき少額短期保険株式会社では、同社の保険加入者を対象に「“終活”に関するアンケート調査」を実施しました。
 
回答者1400名のうち、約90%の人が「“終活”という言葉を知っている(聞いたことがある)」と回答。すでに終活という言葉は広く認知されているようですね。
 
次に、「“終活”について、あなた自身がすでに行っていること」を聞いたところ、「お金の準備(保険等)」と答えた人が最も多く、730人でした。
やはり、お金がらみの混乱が一番気になりますよね。でも、具体的にどのくらいのお金を用意すればいいのでしょう?
 
「お葬式やお墓、遺品整理など、自分のもしものときの資金」について、どれくらい必要だと思うか?という質問では、「101~500万円」と答えた人が半数以上にのぼり、次いで「0~100万円」が約20%という結果に。全体の約75%の人たちが500万円以下での備えを考えていることが分かりました。
 
お葬式の希望としては、お金をかけず家族葬でしてほしいという希望が多く見受けられたようです。昔のお葬式は家族・親戚から友人知人を招いて行うものでしたが、今は家族と、ごく親しい友人だけで行うタイプが主流となりつつあるようです。
 
冠婚葬祭は仰々しく行うより、低予算でコンパクトにまとめる時代になっているのかもしれません。
 

具体的に“終活”している人はまだまだ少ない

“終活”に対する意識は分かりましたが、実際に終活を行っている人はどれくらいいるのでしょうか。
 
株式会社ハルメクが60~74歳のシニア男女720名を対象に行った「終活」に関するwebアンケートでは、74.4%の人が「終活をすべき」と、終活に対して前向きであることが分かりました。しかし、「既に終活を行っている」と答えた人は全体の38.9%という結果に。
 
7割の人が「終活をすべき」と回答したにも関わらず、実際に行っているのは全体の4割程度。終活への意識や必要性を感じているものの、なかなか実行に至れないことが分かりました。
 
また、「既に行っている終活」にかかった費用の平均額は253.6万円。
項目別に見てみると、「生前整理」は平均254.5万円、「死後の準備」は平均116.6万円でした。男女別では、「死後の準備」には男性が平均160万円かける一方、女性は平均71万円しかかけていませんでした。
 
※「生前整理」…「家具や荷物」「衣服やアクセサリー」「アルバムや手紙等の思い出」の整理・処分、「終のすみかとして自宅をリフォーム」など
「死後の準備」…「お墓の準備・用意」「加入保険の整理・見直し」「金融口座・金融商品の整理」など
 
男性は「お墓の準備・用意」など死後の準備を優先しており、女性は「家具や衣服」「アルバムや手紙などの思い出」を整理するなど、生前整理の「片づけ」を行う人が多いようです。
 
やはり男性は一家の代表として、お墓を買う機会がある人が多いのでしょうか。女性も、衣服やアクセサリーなど、家の中を片づける人が多いのはイメージがつきますね。
 

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遺される人のためにも、早めの資金調達や片づけを

多くの人が「終活をすべき」と思っているのに、「既に行っている」人はわずかでした。
 
昨今の考え方では、お金をかけない葬儀に意識が移っていますが、それでもそれなりのお金がかかります。
 
男だから女だからと分ける必要はありません。年齢制限もありません。大切なのは、いかにきれいに人生を終えられるか。遺された人に手間や面倒をかけないためにも、早めの資金調達や片づけをはじめるようにしましょう。
 
死別はつらく、悲しいものですが、誰もあなたに「いつ亡くなりますよ。だからいつまでに準備を終えてくださいね」とは教えてくれません。
 
“終活”とは、自分や家族にとって人生最後のけじめをつける大切な活動なのかもしれません。
 
執筆者:畑美雪(はた みゆき)
フリーランス・ライター
 

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