最終更新日: 2020.09.09 公開日: 2019.04.28
相続

父の相続を放棄したら、いとこ以外にも相続人がいることが発覚。相続はどうなる。

執筆者 : 林智慮

相続が発生した際、相続内容や状況によって「相続放棄」を選択することもあるでしょう。その時の注意点を、A子さんの場合を見ながら考えてみます。
 
一人っ子のA子さんは、一ヶ月ほど前に父を亡くしました。父は会社を経営していて、会社の借入金の連帯保証人になっていました。
 
もし、A子さんが単純承認をすれば、万が一自己破産することになっても家族内の問題で済みます。しかし、調べていくと税金の滞納もあることがわかりました。これでは自己破産しても税金の滞納分は残ってしまいます。
 
そういった状況から、A子さんは相続放棄をすることにしました。
 
 
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

詳細はこちら
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

詳細はこちら

相続放棄をした結果

子が相続放棄する場合、相続される人の死亡の記載のある戸籍謄本と住民票の除票又は戸籍附票(住所の記録)、そして自分の戸籍謄本を申述書に添付します。
 
戸籍の謄本や附票は直系血族であれば取れますが、住民票は、同じ番地に住んでいても、世帯が違えば住民票を取ることが出来ません。
 
委任状または疎明資料が必要になります。自己の権利を行使し自己の義務を果たすためであること、国や地方公共団体に提出するために必要であること、その住民票をどう利用するか「正当な理由」を明らかにしなければなりません。
 
よってA子さんは、面倒なことが無く取れる戸籍謄本と附票を取りました。申述書と共に親の住所地の家庭裁判所に提出をし、A子さんの相続放棄は無事受理されました。
 
ところが、ここからが問題です。
 

新たな相続人の出現

A子さんが放棄した結果、いとこ達が相続人になってしまったのです。祖父母や伯父伯母(叔父叔母)はすでに亡くなっているためです。
 
相続放棄は、自分が相続人となったことを知ってから3ヶ月以内に行います。債権者からのお知らせがあって初めて相続人になっていたことを知った場合、そこから3ヶ月以内に放棄すればいいのです。
 
よって、いとこ達に事情を話し、放棄に必要な書類や添付する戸籍を説明しました。
 
ところが、いとこの1人から衝撃的な事実を告げられます。「実は、母には私たち兄弟の他に子どもがいて・・・」
 
相続の時に初めて他の子ども(Bさん)の存在が発覚。A子さんはBさんに、申述書の用紙、記入事項と添付する書類、そして家庭裁判所の宛先を書いた封筒と収入印紙や切手を同封して手紙を送りました。
 
しかし、宛先不明で返ってきてしまったのです。
 

相続人を探せ

戸籍の付票には、今までの住所の記録がされています。そこでA子さんは、Bさんの本籍のある市で戸籍の附票を取ることにしました。
 
直系以外の場合、本人の委任状が必要になります。兄弟でも同じです。しかし、以下のような「正当な理由」と認められる場合、委任状が無い第三者でも請求することが可能です。
 
・自己の権利の行使又は義務の履行の為に必要である
・国又は地方公共団体の機関に提出をする必要がある
・その戸籍に記載された事項を利用する正当な理由がある
(引用元 法務省
 
A子さんは、Bさんの戸籍のある市役所に、自分の身分証明書、Bさんが相続人になったことを証明する親の戸籍謄本、伯母の戸籍謄本、自分の戸籍謄本を提出し、Bさんの戸籍の付票を取ることが出来ました。
 
Bさんの住所が分かったので、A子さんは再び、申述書の用紙や家庭裁判所の住所を書いた封筒等々を同封して郵送しました。すると、Bさんから連絡が。その後、無事に相続放棄が受理されました。
 
相続放棄する場合、そのために相続人になってしまう人には、自分が放棄したことを伝えておきましょう。プラスの財産でもマイナスの財産でも、残された人々のその後の人間関係や生活に影響が出てくるからです。
 
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
 



▲PAGETOP