更新日: 2021.04.19 その他相続

デジタル資産とは具体的にどんなもの? 相続でトラブルにならないためには?

デジタル資産とは具体的にどんなもの? 相続でトラブルにならないためには?
ここ数年、オンラインでできることが非常に増えています。銀行口座の開設から証券や暗号資産の取引、オンラインショッピングやSNSでの交流など多岐にわたります。
 
そんなデジタル時代に変わった今、これまでにはなかったトラブルも発生しているようです。本記事ではデジタル資産と、その相続トラブルの対応について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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デジタル資産とは?

明確な定義はありませんが、「デジタル資産」という言葉の響きだけだとパソコンのソフト類をはじめ、データ化した文書、音楽ファイルなどがまず思い浮かぶかと思います。最近は、これらに加えてインターネット上のサイトのアカウント、オンライン上で完結する各種決済の暗証番号やパスワードなども含めてデジタル資産と定義されることがほとんどです。
 
本記事ではそれらのうち、特に相続問題になりやすそうなデジタル資産に焦点を当てて解説します。
 

デジタル資産の何に気を付けたらよい?

相続問題を踏まえると、デジタル資産のどこに注意すべきでしょうか。
 
一番はそのデジタル資産を、利用している本人しか把握していない可能性が大きい点だと思われます。
 
今現在さまざまなデジタル資産を利用しているなら、万が一の場合に備えて、家族など相続人がその資産にアクセスできるように準備しておくことが大切になります。
 
想像してみてください。各種SNSのアカウントは、家族に知られたくない場合もありませんか?
 
暗号資産や株などの証券の取引も、家族に反対されるからこっそりやっているという場合があったりしませんか?
 
銀行口座も最近はオンラインで開設できるので、家族も知らないという場合もあるでしょう。
 

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特に相続で影響が出る場合

相続が発生した後で、もしデジタル資産が見つかった場合を考えてみます。
 
例えば両親が亡くなり、遺言に従って兄が5000万円の家を、弟が現金5000万円を相続したとします。これだけであれば円満な家庭であったなと思いますが、もしこの状況でオンライン上で完結していた証券口座(FX取引)が見つかったらどうなるでしょうか?
 
死亡数日前に取引をしていたと思われるFXで、暴落、追加の証拠金が1000万円発生し、対応がないため証券会社からの電話連絡で発覚。これでもすぐに発見できているので対応のしようがあるといえますが、一回相続が完結してしまっているので、再度、遺産分割協議を実施し直す必要があります。
 
さらに、後から見つかったデジタル資産が負債であるため、兄弟で均等に負担するとしても、家を相続した兄からすれば現金の用意がないのでトラブルになる可能性が高いでしょう。
 
もしこれが暗号資産であった場合、誰も気が付かないまま負債が増えていくという状況が発生したり、取引先が海外であるなどトラブルの火種が非常に大きくなる可能性があります。
 

トラブルを避けるためにはどうすれば良い?

では、デジタル資産による相続のトラブルを避けるためにはどうすれば良いのでしょうか?
 

(1)まず、事前にどのようなデジタル資産を持っているか洗い出しておきましょう。

●インターネット上の各種アカウント
●使っている電子マネー
●パソコンやスマートフォンの中のデータ
など

 

(2)これらを洗い出した上で、お金に関わるものをピックアップしましょう。

●電子マネー
●オンライン口座(銀行、証券会社、暗号資産など)
●インターネットショッピングなどのアカウント(特に定期購入などがあれば)

 

(3)それらのアクセス方法を記録しておきます。

●アクセスするアドレス、ログインのためのID、パスワードなど必要な情報

 
これらを事前に印刷やメモ、あるいはデータ化して残しておくなどの対応ができます。ただし内容は非常に重要なものですので、保管については厳重にしておく必要があります。さらに確実な方法として遺言状に記載しておけば、家族などに間違いなく見つけてもらえるでしょう。なお、最近では自筆証書遺言のうち財産目録については、パソコンでの作成が認められるようになっています。
 

まとめ

以上、簡単ではありますが、デジタル資産に関係する相続トラブルの対応についてまとめました。
 
今後もオンラインでさまざまな手続きや取引を完結させるケースがますます増えていくといえます。いつ何が起こるか分からないので、今すぐに相続時のトラブルを防ぐ準備を始めておきましょう。
 
また、相続トラブルでお困りになって弁護士に相談する場合、さらにその中でもデジタル資産などの対応に強い方を見つけると、これからの時代は心強いといえるのではないでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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