更新日: 2021.08.28 その他相続

遺産分割協議がどうしてもまとまらない…! そんな場合の対処法とは?

遺産分割協議がどうしてもまとまらない…! そんな場合の対処法とは?
遺産分割協議がまとまらない……そんなとき、無理に相続人だけでまとめようとすると、かえって状況を悪化させてしまうことがあります。遺産分割協議がどうしてもまとまらないときの対処法としては、どのような選択があるのでしょうか。
 
遺産分割協議を上手にまとめる方法について紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

とにもかくにも、まずは相続人の間でよく話し合う

遺産分割協議がまとまらないとはいえ、比較的早期の段階であれば、まだ相続人の間だけで話をまとめられる場合があります。
 
なぜまとまらないのか、その原因について考え、例えば各相続人の意見を紙に書き出して整理し、妥協点を探るよう全員で話し合うのです。意外とこれだけでもスムーズに遺産分割協議が進むこともあります。
 
今後の相続人同士の関係を考えるのであれば、遺産分割協議は多少時間がかかっても相続人だけで解決するのが一番です。根気強く冷静に、また論理的に情報を整理して、他の相続人の立場にもなって話を進めていくのが遺産分割協議をまとめるこつです。
 

第三者に間に入ってもらう

遺産分割協議に限ったことではないのですが、話し合いがまとまらない際の王道といえば、中立の立場にある第三者に介入してもらうことです。遺産分割協議に加わってもらう第三者は、例えば次のような方が適任といえます。
 

●相続人たちがお世話になったことのある人
●亡くなった方が生前にお世話になった人
●相続人たちが敬意を払っている人

 
上記のように、遺産分割協議を行っている当事者に対して影響力を持っている人、かつ、相続に関して利害関係がない人が望ましいです。
 
反対に、親せきや相続人の家族という立場の人は避ける方が無難です。身内であると、やはり完全に中立というのは難しく、相続人の間でも本当に中立なのかと疑念が残るからです。
 
第三者として間に入ってもらう相手を間違えると、遺産分割協議がかえって混乱して長引いたり、相続争いの火種ともなり得るため注意が必要です。
 

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専門家に間に入ってもらう

多少の費用は掛かりますが、弁護士など専門家に間に入ってもらうのも有効です。被相続人や相続人とこれまで一切接触がないという方であれば完全に中立ですし、資格と経験、相続について豊富な知識を有する専門家であれば、信頼性も高く、皆が納得できます。
 
なかなかまとまらなかった遺産分割協議でも、専門家が間に入ったことで滞りなく終わる場合もあります。
 

家庭裁判所での調停・審判

「いろいろ手を尽くしてみたが、いよいよまとまらなくなってきた」「第三者や専門家が間に入ってもまとまらないだろう」と考えてしまうほど、遺産分割協議がこじれてしまっている状況であれば、もはや家庭裁判所へ調停を申し立てて話をまとめるほかありません。
 
調停は家庭裁判所の調停員が間に入って行われるとはいえ、あくまでも話し合いであるため、最終的に全員が合意しない限り、成立に至ることなく終わります。不成立となった場合は自動的に審判へと移行し、裁判官が審判を下すことになるため、それをもって遺産分割協議に明確な結論が出ます。
 
無理やりにでも話をまとめようと思うと、最終的には家庭裁判所に行くことになります。
 
ただ、家庭裁判所での調停・審判を経てしまうと、遺産分割協議を終わらせることはできても、今後の相続人同士の関係に何らかの影響が残る可能性もあります。特に調停ではまとまらず、審判によって強制的に結論を出されてしまったような場合はなおさらです。
 
申し立ての費用や家庭裁判所へ出向く手間、証拠の収集など負担も発生します。
 
家庭裁判所を利用する場合は、それなりの覚悟と負担が必要となるため、他に打つ手がなくなったときの最後の手段として考えるようにしてください。
 

遺産分割協議がまとまらないときは早めの対応を

遺産分割協議は長引けば長引くほどこじれてしまい、円満な解決が困難になっていきます。
 
早期であれば相続人の間だけで済む問題でも、いったんこじれてしまうと最終的には家庭裁判所で決着をつけることにもなりかねず、相続人同士の関係にも影響する恐れがあります。
 
遺産分割協議が長引くときは速やかに解決できるよう、今回紹介した対処法を参考にするなど、自身がベストだと思う方法を他の相続人の方に提案してみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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