更新日: 2022.01.14 贈与

贈与税がかからない財産。どんなものがある?

贈与税がかからない財産。どんなものがある?
個人への財産の贈与に対してかかる贈与税。子や孫のために少しでも多くの財産を贈与してあげたい。そういった場合に贈与税の節税は必須です。
 
そこで、贈与をしても贈与税の対象とならない財産について紹介します。財産を贈与する際の参考にしてください。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

贈与税の対象となる財産ならない財産、その違いは?

贈与税は個人からもらった財産の総額が1年間で基礎控除(110万円)を超えた場合に発生します。これは、友人知人だけでなく家族・親族間であっても適用されるルールです。
 
しかし、一部の財産には例外的に贈与税がかからないとされているものがあります。贈与税がかからないとされている財産の多くは、その性質上課税するのが適当でないなどとされる財産です。
 
では、具体的にどのような財産に贈与税がかからないか、私たちにとって身近な例を中心に見ていきます。
 

扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産

贈与税の対象とならない財産の代表例といえば、父母や祖父母、兄弟姉妹といった扶養義務者から生活費や教育費として受け取った財産です。例えば親が一人暮らしの子どもにした仕送りや祖父母が出した孫の学費などが良い例です。
 
しかし、生活費や教育費として受け取っても使わずに貯金したり、他の名目で使ってしまったり、あるいは金額が過大であるという場合は通常の贈与として課税されてしまいます。
 
また、将来必要だが現在必要ではない部分も課税対象になります。例えば、大学生になる孫に大学4年分の贈与をした場合です。学費はまとめずに1年ずつ小まめに贈与しておけば課税対象ではありません。
 

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社会通念上必要とされる香典や年末年始の贈答品など

香典や年末年始の贈答品、祝物や見舞いのための金品は社会通念上人付き合いやあいさつに必要なものとして非課税とされています。
 
たまたま人脈が広く、香典や贈答品を多くもらった結果、それが110万円を超えたとしても贈与税は発生しないのです。しかし、社会通念上必要とされない部分は課税対象となります。どこからどこまでが社会通念上必要とされるのかは個別の事情によっても異なることがあるため税務署などに確認するとよいでしょう。
 

法人からの贈与によって取得した財産

贈与税は個人からの贈与によって受け取った財産にかかります。法人からの贈与は所得税の対象となるため、贈与税は発生しません。
 

各種特例に該当する財産

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度のように、一定の要件を満たすことで贈与税が非課税となる特例があります。そういった特例を利用して贈与した財産も贈与税の対象外となります。しかし、そういった特例には上限額や利用目的など条件が定められているため、そこから外れた部分については課税対象となります。
 

離婚の財産分与

離婚時の財産分与も贈与税がかかりません。財産分与は夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のためのものであるため、通常の贈与とは性質が異なるものだからです。
 
しかし、離婚時の財産の額や生活状況など、個別の状況によってその財産分与が過大と見なされると贈与税が課される恐れもあるため注意が必要です。
 

贈与税は対象外となる財産もある

贈与税は原則個人からの贈与に対してかかるものの、扶養のためなど一定額以下、かつ、贈与の目的など条件次第では贈与税が非課税となる財産もあります。なお、今回紹介した財産以外にも贈与税が非課税となる財産は多くあります。
 
贈与を受けたとき、すぐに「贈与税が……」と考える前に、一度非課税となる財産に該当しないか、国税庁のHPを閲覧したり、税務署に問い合わせるなどして確認してみてはいかがでしょうか。
 
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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