亡くなった方の埋葬方法も、非常に多様化しています
配信日: 2018.02.19 更新日: 2020.04.07
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
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多様化する墓の形態
先祖の遺骨が眠っている家単位の墓に、亡くなった後に入るのがこれまでの主流でした。これは「家墓」とか「代々墓」と呼ばれるもので、墓石や墓誌に、その墓に入っている故人すべての俗名、戒名、没年月日が刻まれています。
こうした従来の形態とは異なり、以下の墓がつくられています。生前から自分で準備するか、関係者に自分の意志を伝えておくことが必要です。
① 個人墓
子などの後継ぎがいないときなどにつくられる夫婦2人など1代限りの墓。
継承の必要がない半面、管理の方法が課題。
② 両家墓
一人っ子同士や兄弟に子がいない場合に、夫婦が両家の姓を並べて刻む墓。できれば両家の先祖の遺骨も集め、関係者が継承していく。
③ 永代供養墓
墓石などはつくらず、寺院や霊園に、永代供養料を払い管理してもらう墓。 寺院などが決められた期間供養してくれるので安心。墓を建てる必要がない分だけコストもかからない。地方にある墓を閉じ、都会へ移す際、この永代供養墓とするケースも多い。永代といっても一定期間骨壺を安置した後に、合祀することが多い。
④ 共同墓
生前に賛同した他人同士で会員組織をつくり、会員の死後、残った会員で供養する墓。関係者などが墓参に訪れてくれるメリットがある。墓の名義は宗教法人や企業・団体で、生涯独身の人などに人気がある。共同墓ではないが、近年ではペットと一緒に入れる墓をつくっている霊園もある。
「散骨」遺灰を自然へ還す
「墓にお金をかけたくない」「好きだった自然に還りたい」などの理由で、「散骨」が近年増えてきました。散骨とは、遺灰を山、海、空に還す「自然葬」のことをいい、故人の生前の意志がはっきりしていることが前提です。その際、全部を散骨するか、一部だけ散骨するかの確認もしておきます。亡くなる前に、その意志をエンディングノートにつけておくと、遺族間で、埋葬方法を巡ってトラブルが起きずに円滑に事が進みます。
散骨は、葬送の目的で節度をもって行うことが必要で、勝手に遺骨を撒くことは出来ません。そのため実績のある葬祭業者を選び、依頼することが重要です。火葬をする際も「散骨用に」と依頼すれば(費用は別途1~3万円)、細かく骨を砕いてもらえます。
①樹木に還す
墓地として許可を得ている里山などへ埋葬する。遺骨は骨壺へは入れずに直接土に還す方法を採用。墓石は立てずに桜などの樹木を植樹する。霊園や業者などが管理し、その付近一帯で樹木葬ができるように整備されている場合が多い。複数の遺骨をシンボルとなる樹木の傍に埋葬する簡易な形態だと20万円くらいから、その地域が公園墓地になっており、1人分の区画を購入し植樹をすると、50~100万円はかかる。
②山へ還す
山が好きだった人などが、山の自然に帰ることを希望し、許可を得ている山に散骨できる。国内の場合、業者などに散骨可能な場所を探してもらい、そこに散骨する。価格は15~50万円くらいから可能。費用は高くなるが、海外の山での散骨も出来る。国内では、個人所有の山や国有林の山での散骨は、原則としてできない。
③海へ還す
海への散骨を目的に船をチャーターし、外洋へ出て行う。国内で行っている業者へ依頼する場合、20~100万円程度はかかる。費用は国内より高くなるが、ハワイなどの海外で行う業者もある。港など人の出入りが多い近場で行うことはできない。
④宇宙へ還す
遺骨をカプセルに入れ、ロケットで打ち上げるもので、依頼できる業者は限られている。宇宙葬証明書などメモリアルツールが用意されている。打ち上げ方法などにより価格も異なるが、安いものは50万円程度の予算で可能。衛星軌道に乗せるなどになると、150万円以上になる。
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