【遺言不要論】本当に要りませんか?あなたに遺言が必要か不要か、この際、確認してみませんか?
配信日: 2018.05.20 更新日: 2020.04.07
まだ死なないから遺言は必要ない?そう勘違いしている方は正しい知識を身に付けましょう。
執筆者:一橋香織(ひとつばし かおり)
相続診断士事務所
笑顔相続サロン代表、全国相続診断士会会長、東京相続診断士会会長
アフィリエイティッドファイナンシャルプランナー【AFP】、2級ファイナンシャルプランニング技能士【国家資格】 、相続診断士、終活カウンセラー上級、家族信託コーディネーター
外資系金融機関を経てFPに転身。頼れるマネードクターとしてこれまで2000件以上の 相続・お金の悩みを解決した実績を持つ。講演・メディア出演(朝日テレビ「たけしのTVタックル」TBSテレビ「Nスタ」「ビビット」など)多数。
日本初のシステムノート型システムダイアリー㈱の『エンディングノート』監修。著書「家族に迷惑をかけたくなければ相続の準備は今すぐしなさい」PHP出版はアマゾン相続部門1位・丸善本店ビジネス部門で1位を獲得する。近著『終活・相続の便利帳』枻出版社。笑顔相続を普及するため専門家を育成する『笑顔相続塾』を主宰。連絡先:https://egao-souzoku.com/
そもそも遺言が必要な人ってどういう人?
最近のニュースで同性婚の男性が親族に対して相続を認めてほしいという訴えを起こしたというものがありましたが、これは現状の民法では同性婚での配偶者は相続人ではないために起こったケースです。
この方の配偶者が本当に同性婚の相手に財産を残したいと思っていたのなら遺言を書くべきでした。
では、遺言はどういう人が必要になってくるのでしょうか?チェック項目を設けましたので、確認してみましょう。
□特定の相続人に多くの財産を相続させたい
□財産は不動産が多く、現金が少ない
□結婚をしているが子供がいない
□独身である
□事実婚あるいは同性婚である
□障がいを抱えた相続人がいる
□前妻(前夫)との間に子供がいる
□相続人が海外(遠方)に住んでいる
□相続人に未成年者がいる
□相続人に行方不明者がいる
□相続人の仲が悪い
□先祖代々の売れない(売りたくない)土地がある
□相続人以外の人に財産を残したい(嫁・婿・孫・友人など)
その他にも寄付をしたい方など遺言を書いた方がいいケースはまだまだありますが、主なケースとして上記にチェックが一つでも付いた方は遺言が必要ということになります。
どうですか?死なないから遺言は必要ない、ということではないことが分かっていただけましたか?では、その件についてもう少し詳しく説明いたしましょう。
遺書と遺言を勘違いしている日本人が多い
遺言を書かない、書きたくない理由として
*自分はまだ死なないから
*子供に自分の財産のことをあれこれ言われたくない
*縁起が悪いから
*うちは絶対にもめないから
というものがあります。
その中で今回は『まだ自分は死なないから』と『子供に自分の財産のことをあれこれ言われたくない』について取り上げてみたいと思います。
そもそも、亡くなる方が書くのは『遺書』です。遺書とは亡くなることを前提に残された人に向けて書く手紙のようなものです。法的な決まりは何もないので自由に書くことが出来ますし、書いてあることを守る必要もありません。
それに対して、『遺言』は民法の定める一定の方式にのっとって書く必要があります。
遺言者の真意を明確にして紛争・混乱を避けるため厳格な方式を定め,これに従わない遺言は無効となります。
また、15歳以上であれば未成年者でも書くことが出来ます。15歳の方が亡くなることを想定して書くわけではないことは想像できますよね。逆に成人していても判断能力のない方は遺言を残せません。(認知症や重度の知的障がいなど)
では、自分の財産を子供にあれこれ言われるから遺言を書くのでしょうか?
どういう方に遺言が必要かは前述しましたが、財産を「長男には多く残したい。逆に次男は寄り付きもしないので少ししか残したくない」など、法定相続分で分けたくない方は書いた方がいいでしょう。
ご自身の遺志が法律でしっかりと守られるのは有効な遺言書を残した場合のみです。
どうですか?『遺書』と『遺言』は一字しか違いませんが大きく内容が違うことをご理解いただけたでしょうか?チェック項目に該当し、正しく理解した上で、書くか書かないかはご自身の判断でいいと思います。
ただ、知らなかったばかりに大切な家族がもめることがないようにしたいですね。
Text:一橋 香織(ひとつばし かおり)
相続診断士事務所 笑顔相続サロン代表
全国相続診断士会会長
東京相続診断士会会長
アフィリエイティッドファイナンシャルプランナー【AFP】
2級ファイナンシャルプランニング技能士【国家資格】
相続診断士
終活カウンセラー上級
家族信託コーディネーター
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