更新日: 2023.09.28 相続税

父が亡くなり遺品で出てきたタンス預金! バレないまま隠し通したいのですが可能ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

父が亡くなり遺品で出てきたタンス預金!  バレないまま隠し通したいのですが可能ですか?
遺産を相続した人によっては、相続税の負担を大きく感じてしまう人も多いでしょう。仮に、遺品としてタンス預金を発見した場合、「隠しておけば相続税を支払わなくてもよいのではないか」と考える方もいるのではないでしょうか。
 
この記事では、タンス預金を発見した場合の相続税上の取り扱いについて解説します。この記事を読むことで、タンス預金を相続した場合の対処法がわかります。
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タンス預金に税金は発生するのか

タンス預金は、銀行などに預けていないお金のことです。自宅内に置いているお金なので、外部から発見することは難しいでしょう。そのようなお金には相続税が発生しないと考える方もいるのではないでしょうか。ここでは、相続税の対象となる財産について解説していきます。
 

タンス預金も相続税の課税対象

税務署が公開している資料「相続税の申告のしかた」によると、相続税の対象となる財産について以下のように記載されています。
 

【相続税に対象となる財産】

イ 相続や遺贈によって取得した財産(本来の相続財産)

相続税の課税対象となる財産は、被相続人が相続開始の時において有していた土地、家屋、立木、事業(農業)用財産、有価証券、家庭用財産、貴金属、宝石、書画骨とう、預貯金、現金などの金銭に見積もることができる全ての財産をいいます

 
上記のとおり「現金などの金銭」も相続対象となっているため、タンス預金も相続税の課税対象となります。
 

相続税を納めなければいけない人とは

相続税が課税される方は、遺産を相続した人で相続税の申告が必要な方です。相続した財産から「債務や葬式等の費用」と「遺産に係る基礎控除額」を差し引いて、残った財産に相続税が課されます。遺産に係る基礎控除額は、以下の計算式で計算します。
 

【遺産に係る基礎控除額】

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

 
例えば、法定相続人が3人だった場合、基礎控除額は4800万円になります。この場合、4800万円と葬式費用などを差し引いて、残った遺産に相続税が発生します。仮に、相続財産が4800万円以下だった場合には相続税は発生しません。
 

バレずにタンス預金を隠せるか

タンス預金は、黙っていれば発見した人以外にバレることはありません。しかし、あなたがタンス預金を受け取ったことは、かなり高い確率で税務署にバレてしまいます。ここでは、タンス預金がバレてしまう理由について解説します。
 

タンス預金はほぼ確実にバレる

タンス預金は、ほぼ確実にバレます。国税庁は、全国の国税局と税務署を結ぶ国税総合管理システム(通称:KSKシステム)を使って個人のお金の流れを完全に把握できます。
 
このシステムによって、お金の流れにあやしい動きがあった人をチェックし、税務調査によってタンス預金を発見できるのです。
 

バレた場合のペナルティ

タンス預金を申告しなかった場合のペナルティとして、無申告課税、過少申告加算税、延滞税などの追徴課税が課せられる可能性があります。また、悪質な脱税だと判断されれば、追徴課税だけでなく刑事罰を受けることもあるため注意しましょう。
 

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まとめ

この記事では、遺品でタンス預金に対する相続税の考え方について解説しました。タンス預金も相続税の課税対象なので、発見した場合は申告しなければいけません。仮に、申告せずに隠していたとしても、ほぼ確実にバレます。
 
申告しなかったことがバレてしまった場合、追徴課税や刑事罰を受ける可能性もあります。タンス預金を相続した場合は、速やかに申告したほうがよいでしょう。
 

出典

税務署 相続税の申告のしかた
税務署 相続税のあらまし
財務省 国税総合管理(KSK)システムの概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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