友人から「ランクル」を破格の「10万円」で譲り受けた! お金を払ったなら贈与税は不要?

配信日: 2023.09.29

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友人から「ランクル」を破格の「10万円」で譲り受けた! お金を払ったなら贈与税は不要?
他人からタダで車などの財産を譲り受ける行為は贈与に該当し、贈与税の対象になります。では、いくらかお金を渡して譲り受けた場合はどうなのでしょうか。「タダ」ではありませんから、贈与にはならなさそうですよね?
 
しかし、実はそれでも贈与として取り扱われる場合があるので注意が必要です。一体どのようなケースなのでしょうか。本記事で解説します。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

贈与とは

自分以外の人から財産を無償でもらう行為を贈与といいます。財産をもらった人(受贈者)は、贈与財産額に応じた贈与税を納めなければなりません。例えば、気前のよい友人から時価200万円のトヨタ・ランドクルーザー(ランクル)を譲り受けた場合、200万円から贈与税の基礎控除110万円を差し引いた残額に対して贈与税率を乗じ、贈与税を算出します。
 
(200万円-110万円)×贈与税率10%=9万円
 
ランクル200万円をもらった場合の贈与税は9万円となりました。200万円もの価値があるランクルをタダで取得しているので、贈与税9万円で済むのであれば安いかもしれませんが、もったいないお金ではありますね。
 

著しく低い価額では贈与になる

そこで思いつくのが、「多少なりともお金を払って贈与にしない」案です。例えば、友人に10万円を払って200万円のランクルを受け取った場合は、贈与ではなく売買取引になるのではないでしょうか。
 
そうであってほしいところなのですが、国税庁はしっかりこの抜け道を封じています。「個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額は、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます」となっているのです。
 
つまり、200万円のランクルを10万円で買った場合、200万円-10万円=190万円部分は贈与とみなされるのです。この場合の贈与税は、(190万円-110万円)×贈与税率10%=8万円となり、ランクルを手に入れるのに18万円支払うことになります。それなら10万円支払わずに、9万円の贈与税を支払った方が安いですね。
 

著しく低い価額の判定

「著しく低い価額」とは、その財産の世間一般的な取引相場よりも、非常に低い価額という意味です。著しく低い価額に該当するか否かの具体的な判断基準は設けられておらず、個々の具体的事案に基づき判定されます。ただ、売れば200万円になるランクルを10万円で買ったとなると、著しく低い価額と判定される可能性が高いでしょう。
 

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まとめ

時価より著しく低い価額で財産を買い取った場合、時価と購入金額との差額は贈与とみなされ、贈与税の対象になります。本記事では極端な例で解説しましたが、数年経過した大衆車であれば該当する可能性は低いでしょう。ただ、個人から車を譲り受ける場合には、念のために中古車査定などで車の時価を把握しておくと安心です。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

国税庁 No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき

 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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