更新日: 2023.10.11 贈与

孫が小学生になるので、教育費として「1500万円」まとめて渡す予定です。贈与税が心配ですが、非課税にできますでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

孫が小学生になるので、教育費として「1500万円」まとめて渡す予定です。贈与税が心配ですが、非課税にできますでしょうか?
子どもが結婚して孫が産まれると、それぞれの実家がサポートしながら子育てをするケースも多いかもしれません。祖父母として結婚式や子育てにかかる費用を援助することも少なくないと考えられますが、贈与税など税金面を心配する人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、孫の教育費として1500万円まとめて渡す場合、贈与税はかかるのか解説します。
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一般的な贈与税の仕組み

個人から高額な財産をプレゼントされると贈与税がかかる可能性があります。また実際に金銭や商品を取得しなくても、債務免除を受けるなど実質的に贈与を受けたとみなされる場合も課税対象となることもあるので要注意です。
 
贈与税は暦年課税制度といって、原則1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残額に対して課税される方法が一般的に知られています。
 
他にも相続時精算課税制度がありますが、これは原則60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに財産が贈与された場合において選択できるものです。
 
相続時精算課税制度を利用したい場合は、財産を贈られた者が翌年の確定申告の時期に「相続時精算課税選択届出書」を提出し、贈与税の申告書だけでなく戸籍謄本などの必要書類を提出しなければなりません。
 
相続時精算課税制度は一旦利用すると、贈与した者が亡くなるまで適用されて暦年課税に変更できないため、通常は手軽に利用できる暦年課税制度を選ぶパターンが多いと考えられます。
 

教育資金の一括贈与の非課税制度がある

今回のケースでは1500万円の贈与を予定しているため、通常であれば基礎控除を差し引いた部分に対して贈与税がかかります。ただし、祖父母から孫に対して教育資金として贈与される場合は、一定の条件を満たすと非課税となります。なぜなら「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」があるためです。
 
「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」とは、30歳未満の受贈者が祖父母などの直系尊属から教育資金目的として贈与を受けた場合、1500万円までの金額に相当する部分については、所定の手続きを経ることで贈与税が非課税となる制度です。
 
単に祖父母から孫に対して「教育資金として1500万円まとめて渡すから有意義に使いなさい」などと言って、現金引き渡しや口座振込を行えばいいわけではなく、非課税制度の適用を受けるためには所定の手続きを行う必要があるので注意しましょう。
 
具体的な手続きの流れは次の通りです。
 

●教育資金口座の開設をする
●教育資金非課税申告書の提出などを金融機関に行う
●教育資金の払い出しは指定口座から行い、領収書などの証拠書類を金融機関に提出する

 
受贈者が原則30歳に到達した時点や、教育資金用の口座残高がゼロになった時点で契約は終了します。また、契約期間中に祖父母が亡くなると、口座に残っている資金は相続したものとみなされ、場合によっては相続税が課される可能性があります。
 

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まとめ

今回は、来年孫が小学生になるのに合わせて教育費として1500万円まとめて渡す予定である場合、贈与税が発生するのか解説しました。
 
祖父母が孫に対して教育資金として1500万円を一括で渡す場合、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を活用することで非課税となります。
 
ただし教育資金目的として贈与したにもかかわらず、実際は教育資金以外の目的(日常生活費やギャンブル、娯楽費用など)として使われた場合は、非課税制度が適用されず、通常の仕組みで受贈者に贈与税が課税される可能性があるので注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択

国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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