更新日: 2023.12.26 贈与

子ども名義の口座に教育資金を毎月「3万円」ずつ入金していますが、将来通帳を渡したら贈与税がかかってしまうのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

子ども名義の口座に教育資金を毎月「3万円」ずつ入金していますが、将来通帳を渡したら贈与税がかかってしまうのでしょうか?
子どもの教育資金はまとまったお金が必要なため、本人が小さい頃から、コツコツと貯金したり援助したりする家庭も多いでしょう。しかし、年間110万円を超える金額を渡す場合は注意が必要です。今回は、お子さんにお金を渡す際に贈与税がかかるケースをもとに、計画的な資金援助のコツを紹介します。
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子どもにお金を渡す場合は年間110万円のラインに注意


国税庁の資料によると、贈与税は下記の条件のもとで定められています(暦年課税の場合)。
 

●一人の人が、1月1日〜12月31日までの1年間において贈与を受けた場合、財産の合計金額から基礎控除額の110万円を差し引いた額に課税
●1年間に贈与を受けた財産の合計金額が110万円以下の場合は課税対象とならず、かつ贈与税の申告は不要

 
上記より、子どもに教育資金としてお金を渡す場合は、年間110万円をラインとして渡すと、手続きや納税が発生しません。例えば、月に3万円ずつ子どもの通帳に入金する場合は、3万円×12ヶ月で36万円です。
 
この場合は贈与税の発生ラインに該当しないため、問題なく渡せるでしょう。なお、月9万円までであれば、9万円×12ヶ月で108万円のため、範囲内に収められます。
 

贈与税の対象とならない項目があるって本当?


「子どもへお金を渡すことが贈与になるのであれば、お年玉や入学祝いははずまないほうがよいのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、下記の項目に該当する場合は、贈与税の対象とみなされません。
 

●夫婦や親子、または兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費・教育費を目的にした財産の付与
●年末年始の贈答や祝いを目的とした金品

 
上記が指すものを具体的に説明すると、仕送りや治療費、学費や文房具を購入するお金が挙げられます。また、お年玉や入学祝いも、数万円と相場の金額であれば問題ありません。お年玉で30万円といった大きな金額の場合は問題ですが、数千〜1万円程度の標準的な場合は、贈与税の対象にはならないでしょう。
 

子どもにお金を渡す場合の注意点は3点


日本の慣習として渡すお金は、多くの場合は贈与税の対象ではなく、年間110万円までならば問題ないと分かりましたが、お金を渡すタイミングや、子どもへの伝え方に注意が必要です。
 

まとめて110万円以上渡すと課税対象になる可能性がある

毎月3万円ずつ、子どもの銀行口座へ入金する場合は問題ありませんが、数年間分をまとめて入金する場合は、注意が必要です。月に3万円だから問題ないと思っていても、5年分(180万円)をまとめて入金すると、年間としては110万円を超えて、贈与税が発生します。預金通帳上での入金が判断基準のひとつになるため、入金のタイミングには気をつけましょう。
 

仕送りの場合は生活費として使わせる

子どもが大学に通い、仕送りとしてお金を渡す場合は、贈与には当てはまりません。しかし、子どもが投資に使ったり、学生起業をする場合に使用したりすると、課税対象になります。仕送りをする場合は「生活費として使ってね」と伝えてから送金しましょう。
 

口座管理は子ども本人が行う

銀行口座の名義が子どもの名前であったとしても、入出金を扶養者が行っている場合は、名義預金とみなされる可能性があります。名義預金であれば、口座の名義とお金を使う人が異なることを疑われます。入出金は子どもと一緒に行ったり、家計簿をつける練習として、子どもが預金にかかわるきっかけを作ったりしましょう。
 
子どもへの送金をきっかけに、お金について学ぶ機会を与え、かつコミュニケーションをとる時間を作るといいでしょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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