更新日: 2023.11.22 贈与

親戚が多く、ご祝儀の合計が「110万円」を超えてしまいました。1人あたり「10万円以下」なのですが、確定申告などは必要なのでしょうか?

親戚が多く、ご祝儀の合計が「110万円」を超えてしまいました。1人あたり「10万円以下」なのですが、確定申告などは必要なのでしょうか?
大切なパートナーと結婚をすると家族や親戚、友人などからご祝儀をもらう機会もあります。結婚式に招待されてご祝儀を持参した経験がある人もいるのではないでしょうか。もちろんご祝儀をもらうのは嬉しいことですが、一方で気になるのが税金の問題です。
 
個人からの贈与で財産を取得すると贈与税が発生することがありますが、本記事では結婚祝いとして親戚からもらった金額が合計110万円を超えた場合、納税は必要となるのか、確定申告しなくても大丈夫なのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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結婚のご祝儀は原則贈与税がかからない

贈与税の計算方法は暦年課税と相続時精算課税の2種類があり、一定の要件に該当する場合をのぞいて基本的には前者が選択されることが多いと考えられます。
 
暦年課税は年間の贈与財産の合計金額から基礎控除額110万円を差し引いた部分に対してかかります。そのため一般的に年間110万円を超えなければ基本的に贈与税はかからず、確定申告も必要ありません。
 
贈与税は原則すべての財産が対象ですが、贈与目的や財産の性質などによって「贈与税がかからない財産」も存在し、結婚のご祝儀もその1つとされています。というのも国税庁が定める「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」に該当すると考えられるからです。
 
今回の事例でも、合計110万円を超えますが、1人あたり10万円以下で一般的な相場の範囲内と判断して問題ないと考えられます。これがもし特定の親戚から50万円以上など明らかに高額なご祝儀を受け取った場合は、常識の範囲内とはいえず課税される可能性もあるので要注意です。
 

銀行振込で合計110万円を超えて受け取ると課税される?

ご祝儀を直接手渡しで受け取るのではなく、結婚式や新婚生活の支援も兼ねて銀行振込でもらう機会もあるかもしれません。銀行振込で資金援助を受ける場合も合計110万円を超えなければ基本的に非課税ですが、110万円を超えると贈与税の課税対象となるので要注意です。
 
ただし、仮に110万円を超えて200万円程度になったとしても、父母や祖父母といった直系親族からの贈与なら「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」を活用することで非課税となります。ただし自動的に適用されるわけではなく、手続きを行う必要があります。
 

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結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度

通常であれば贈与税が発生するところ優遇措置によって所定の手続きを行うことで非課税となることもあります。「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」を活用すると、挙式や結婚披露宴にかかる費用や新生活に必要な転居や引越しなどの費用も、結婚関連費として最大300万円まで課税されません。
 
ただし、自動的に適用されるわけではなく、贈与を受ける者が金融機関に「結婚・子育て資金非課税申告書」の提出を行い、結婚関連の支出が発生した場合は領収書を保管して金融機関に提出する必要があります。
 
自営業者や会社経営者らが確定申告を行う際は領収書の適切な管理が欠かせませんが、非課税制度を活用する際も特定口座の開設や資金管理、口座残高がなくなった場合は契約終了手続きを行う必要があるため、確定申告と同様に手続きを怠ると恩恵を受けられなくなるおそれがあるので注意しましょう。
 

まとめ

本記事では、結婚のお祝いとして親戚からもらった金額が合計110万円を超えてしまった場合、1人あたり10万円以下でも納税は必要となるのか、申告しなくても問題ないのかを解説しました。
 
結婚や子育て費用として年間110万円を超える金額を受け取る場合も、結婚関連費は最大300万円まで非課税となります。
 
ただし非課税優遇措置の恩恵を受けるためには金融機関に申告書の提出を行い、支払い状況も領収書の提出で報告する必要があるので、手続きを忘れないようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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