更新日: 2024.02.09 贈与

友人が古い車が売れないので譲ってくれると言います。贈与税はかかるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

友人が古い車が売れないので譲ってくれると言います。贈与税はかかるのでしょうか?
要らなくなった古い車を友人から譲ってもらう場合、贈与税がかかるかどうか気になるところでしょう。車をあげたり、もらったりすることは、友人間や家族間などでありがちなケースですが、車の評価額がどのくらいなのかによって、贈与税がかかるかどうかが変わってきます。
 
本記事では、車を譲ってもらうときに贈与税がかかるケースについて解説します。贈与税の節税が可能な方法もまとめているので、車を譲ってもらうことが決まっている人、将来的に譲ってもらう可能性が高い人は、ぜひチェックしてみてください。
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古い車を譲ってもらう場合に贈与税はかかる?

友人から古い車を譲ってもらう場合、その車の評価額に応じて贈与税がかかります。本項では、車を譲ってもらう際に贈与税がかかる状況とその際の計算方法についてチェックしていきましょう。
 

車の評価額が110万円以下なら贈与税はかからない

友人から譲ってもらう車の評価額が110万円以下であれば、贈与税は発生しません。贈与によって財産をもらう際には、年間110万円の基礎控除が適用されるからです。そのため、友人から車を譲ってもらって贈与税がかかるのは、以下に当てはまる場合と認識しておきましょう。

●車の評価額が基礎控除の110万円を上回っている
●車の評価額は基礎控除の110万円以下でも、当年度内に車以外の贈与財産がある(車と合算すると110万円を上回る)

特に注意したいのが、車以外に財産の贈与を受けている場合です。基礎控除の110万円は年間を通して適用される金額となり、すべての贈与を合算して考えなければなりません。
 
例えば、車の評価額が80万円で車のほかに100万円の財産を取得している場合、これらを合算すると180万円です。そして、180万円から基礎控除の110万円を差し引き、超過した70万円が贈与税の課税価格となって、一定の税率を乗じて贈与税を計算します。
 

贈与税の計算方法

友人から車を譲ってもらう際の贈与税は、「(財産贈与額-基礎控除110万円)×税率-控除額」で計算してください。その際の税率と控除額は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

    

一般贈与財産用(一般税率)
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1500万円以下 45% 175万円
3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」より筆者が作成
 
例えば、基礎控除後の課税価格が70万円の場合、70万円×10%を乗じた7万円が贈与税となります。
 

贈与の無申告にはペナルティーが課せられる

友人から譲ってもらった車であっても、贈与税の申告を行わなかった場合、図表2のようなペナルティーが課せられる点に注意してください。
 
【図表2】

ペナルティーが課せられる要件 税率
無申告加算税 定められた期限までに申告をしなかった ・~50万円:15%
・50万円超:20%
※納付するべき税額に対して加算
延滞税 定められた期限までに納税をしなかった ・納期限の翌日から2月を経過する日まで:年7.3%
・納期限の翌日から2月を経過した日以降:年14.6%
※法定納期限の翌日から納付が完了する日までの日数に対して加算

国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」「No.9205 延滞税について」より筆者が作成
 

車を譲ってもらうときにかかる贈与税を節税する方法

車を譲ってもらうときにかかる贈与税を節税する方法は、以下のとおりです。

●車の名義を変更しない
●評価額が下がってから譲ってもらう

方法別に解説しますので、適切な方法を検討してみてください。
 

車の名義を変更しない

車の所有権(名義)を友人から自分に変更しないで使用貸借という方法をとれば、贈与税がかかりません。ただし、車の所有者と使用者が異なる場合、自動車保険はそのまま適用されるかどうか、保険料に変化はあるのかなどを保険会社に確認しておくとよいでしょう。
 

評価額が下がってから譲ってもらう

譲ってもらう車の評価額が基礎控除の110万円を下回るタイミングを待つのも、贈与税節約のために効果的な方法です。購入したばかりの新車や人気車種は、すぐに評価額が下がるのは難しいかもしれませんが、売れないような古い車であれば比較的容易な方法といえるでしょう。
 

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車を譲ってもらう前に贈与税について話し合おう

友人から古い車を譲ってもらう場合、その評価額が110万円を超えると基礎控除を上回り贈与税がかかります(ほかに贈与財産がない場合にかぎる)。
 
贈与税の負担軽減には、所有者を友人のままにして使用貸借の方法をとる、車の評価額が下がるタイミングを待って譲ってもらうといった方法があります。車を譲ってもらう際には、友人と贈与税について話し合い、双方が納得する方法を選ぶようにしてください。
 

出典

国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
国税庁 No.9205 延滞税について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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