更新日: 2024.07.26 贈与
就職祝いに、親が乗っていた「プリウス」を10万円で譲ってくれました。ちゃんとお金を払ってるので「税金」はかかりませんよね?“中古車”なら問題ないですか?
通常、親族間であっても年間で110万円を超える金銭を受け取ると、贈与税がかかります。ただ、今回は車で、しかも10万円は支払っていますが、このような場合はどうなるのでしょうか? 本記事で解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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贈与税の対象は中古車も含まれる
贈与税は、個人から財産をもらったときに、受け取った人が支払う税金です。贈与税がかかるのは大金をもらった場合というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、贈与税の対象としては株などの金融商品や土地、そして車なども含まれます。
車を贈与された場合は、その価格が「110万円を超える場合」に贈与税がかかります。そして、車を安い価格で譲渡された場合、査定額から支払額を引いた金額が贈与財産とみなされ、その価格が110万円を超えると贈与税の課税対象です。
今回のケースではプリウスを譲り受けた際に10万円支払っているため、プリウスの価格が120万円を超えるのであれば、贈与税がかかります。
中古車の査定額はどう判断すれば良い?
車の価格は新車であれば分かりやすいですが、中古車の場合は年式やグレード、走行距離などのさまざまな条件によって異なります。
参考に、3年前(2021年式)のプリウスの中古車市場での相場を見てみましょう。トヨタ認定中古車サイトで3年前の2021年式のプリウスを検索すると、122件がヒットしました。そして、車両価格が安い順に並べると、最も安い物でも車両本体価格が130万8000円でした(2024年7月23日時点)。
ただ、この価格には中古車販売店の利益が含まれているため、実際の査定額はこの価格よりは低くなります。査定額の出し方として、「精通者意見価格」を参考にする手段があります。「精通者意見価格」とは、専門家が査定した価格のことですが、車の場合は中古車販売業者も専門家として位置づけられます。
ネットの価格を参考にしつつ、実際の査定額は専門家に出してもらうことを検討しましょう。
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贈与税を抑える方法
贈与税が発生する場合、当然ですが納税をしなければなりません。とはいえ、贈与税の税率は最低でも10%と高く、贈与税を節税したい人は多いでしょう。
車を譲り受けるケースで贈与税を抑える方法としては、車の名義を親のままにしておき、車が必要な場合には借りるという手段があります。車の所有者にはなれませんが、贈与ではないため、贈与税はかかりません。
また、車の価格は基本的には年がたつにつれて下がっていきます。そのため、車の査定額が110万円以下になった時点で贈与を受ければ、贈与税は発生しません。
親の車を譲り受けるのではなく購入する場合でも、親から贈与税がかからない範囲のお金(=年間110万円以下)を贈与してもらい、車両価格の不足分は自分が支払うという方法もあります。
まとめ
親が3年前に新車購入したプリウスを10万円で譲ってもらった場合、査定額次第では贈与税が発生します。税金の支払いは国民の義務ですので、贈与税の対象であれば税金を支払わなければなりません。
とはいえ、制度などに基づいた節税ができる場合もあります。本記事を参考に、贈与税を抑える方法を検討してみても良いでしょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー