更新日: 2024.09.11 贈与

半年に1回、妻の実家に帰省するたびに「現金50万円」をもらっています。かなり高額ですが「贈与税」は発生しないのでしょうか?

半年に1回、妻の実家に帰省するたびに「現金50万円」をもらっています。かなり高額ですが「贈与税」は発生しないのでしょうか?
「義実家から頻繁に高額な現金をもらっているけれど、贈与税はかかるの?」こんな疑問をお持ちの方はいませんか。
 
例えば、年に数回、義実家に帰省するたびに現金50万円を受け取っている場合、贈与税の対象になるのか気になるところです。この記事では、贈与税の基礎知識から、贈与税がかかる可能性について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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贈与税とは

贈与税とは、個人から無償で財産をもらったときにかかる税金です。具体的には、毎年1月1日から12月31日までの間に受け取った財産の合計額に対して課税されます。贈与税の目的は、生前贈与による相続税の課税回避を防止することです。贈与税は、財産をもらった人(受贈者)が支払う義務があります。
 
贈与税がかかる財産には、現金・預貯金・不動産・車・貴金属類などが含まれます。ただし、親からの生活費の仕送りや教育費の振り込み・結婚や入学のお祝いやお年玉・香典などの儀礼的なお金については、常識的な範囲内であれば贈与税はかかりません。
 

年間110万を超えると贈与税がかかる

贈与税は年間110万円を超える贈与に対して課されます。したがって、半年に1回50万円をもらうと、年間で100万円となり、贈与税の課税対象にはなりません。
 
贈与税の課税対象となる金額は、年間で110万円を超える部分についてです。例えば、親が子に対して年間120万円を贈与した場合、110万円を超える10万円の部分に対して贈与税が課されます。
 
子から親への贈与であるためなので、表1の通り特例税率が適用されます。
 
表1

基礎控除額後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10パーセント
300万円以下 15パーセント 10万円
400万円以下 20パーセント 25万円
600万円以下 30パーセント 65万円
1000万円以下 40パーセント 125万円

国税庁「贈与税の計算と税率」基礎控除後の課税価格より筆者作成
 
親が子に対して年間120万円を贈与した場合の贈与税を計算します。


・贈与額:120万円
・非課税枠:110万円
・課税対象額:120万円 – 110万円 = 10万円

この10万円に対する贈与税は、税率10%の区分に該当します。


・課税対象額:10万円
・税率:10%
・贈与税:10万円 × 10% = 1万円

したがって、親が子に年間120万円を贈与した場合、贈与税は1万円となります。
 

贈与税が非課税になるケース

贈与税が非課税となるものがあります。


・扶養者からの生活費
・扶養者からの教育費
・障害者に関する給付金
・冠婚葬祭などの贈答金
・困窮している場合の借金の肩代わりや安価での財産の贈与

扶養者(親など)からの生活費や教育費のための贈与は、通常は非課税です。ただし、生活費や教育費が常識の範囲を超える場合、贈与税の課税対象となることがあります。障害者に対する給付金や補助金は非課税です。
 
また、結婚祝いや葬儀費用など、社会通念上相当と認められる範囲内での贈答金は非課税です。さらに、経済的に困窮している人に対する借金の肩代わりや安価での財産の贈与も、一定の条件下で非課税となることがあります。
 

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現金の手渡しは贈与税がかからないは間違い

「現金を手渡しすれば贈与税の申告をしなくても税務署に見つからない」と言う人もいますが、それは間違いです。税務署は申告漏れを発見するために、預金の動き、過去の給与、不動産収入、相続財産など、さまざまな情報を調査しています。
 
これにより、個人の財産額やお金の流れを把握することができます。そのため、現金を手渡しで贈与しても税務署に指摘される可能性は高いと考えた方がよいでしょう。
 

申告を忘れていた場合

現金での贈与が発覚すると、贈与税に加えて無申告加算税を支払う必要があります。生前贈与の申告を忘れていた場合、これらの税金をまとめて納めなければなりません。
 
各年度の無申告加算税は、基本的に納付すべき税額に対して計算されます。50万円までの部分には15%、50万円を超える部分には20%の割合が適用され、その合計が無申告加算税の金額となります。
 

1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません

妻の実家から半年に1回50万円を受け取っている場合、年間で100万円(50万円×2)となり、贈与税の非課税枠である年間110万円を超えないため、贈与税は発生しません。
 
贈与税の非課税枠は年間110万円ですので、受け取る金額がこの範囲内であれば贈与税は課されません。ただし、年間で110万円を超える贈与がある場合、その超えた部分に対して贈与税が課されます。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき 加算税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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