更新日: 2024.10.22 贈与
両親がマイホームの購入資金「600万円」を支援してくれるそうです。絶対に「贈与税」がかかりますよね…?分割で受け取った方がよいでしょうか?
今回は、マイホームを購入する際に利用できる可能性がある制度や利用条件、もし通常の贈与とみなされた場合の贈与税額などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
制度を利用すれば一定額まで非課税で住宅の購入資金を受け取れる
両親から住宅資金の援助をしてもらう場合、条件に当てはまっていれば「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」制度の利用が可能です。国税庁によると購入しようとしている住宅が省エネ等住宅なら1000万円まで、それ以外は500万円まで非課税で受け取れます。
この制度は令和8年12月31日までに受け取った贈与が対象で、受け取る方の条件は以下の通りです。
●直系尊属からお金を受け取っている
●贈与された年の1月1日時点で18歳以上である
●贈与された年の本人の所得税にかかる所得金額が合計2000万円以下(新築等をした住宅の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満なら1000万円以下)
●平成21年分~令和5年分の贈与税の申告で「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」(旧非課税制度)を利用していない
●本人の配偶者や親族など一定の特別関係のある方から家屋を取得していない、もしくはこれらの方との請負契約などにより新築や増改築をしていない
●贈与された翌年の3月15日までに制度の対象となる資金を全額あてて住宅用の家屋を新築等している
●贈与された時点で住所は日本にあり日本国籍である
●贈与された翌年の3月15日までに対象家屋に居住している、あるいは同日以後遅延なく居住が確実であると見込まれる
なお、贈与を受けた相手が配偶者の父母だった場合、養子縁組をしていれば直系尊属として扱われます。
制度を利用するときの注意点
制度を利用するためには贈与税の申告が必須です。条件を満たしていても、所定の方法で申告していなければ受け取ったお金は通常の贈与と同じ扱いになります。その場合、贈与税の年間の基礎控除額110万円を除いた金額が課税対象です。
制度の適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日に、贈与税の申告書とともに定められた添付書類を提出する必要があるため、忘れないようにしましょう。
さらに、合計所得金額もチェックが必要です。贈与された年の合計所得金額なので、給料以外の収入があった場合はその金額も含めたうえで2000万円以内であることが要件です。例えば、贈与された年の給与所得が500万円だったものの、不動産所得や利子所得が1500万円以上あったときは、制度は利用できません。
この場合は、申告をしても通らずに通常の贈与として税金の支払いを求められると考えられます。「制度を利用するつもりで資金を使い切ったのに贈与税が発生した」という事態を防ぐために、贈与を受けた年の所得は把握しておきましょう。
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通常の贈与として扱われたときの税額
もしも制度が適用されなかった場合、一度に600万円を受け取ると課税対象です。基礎控除額110万円を引いた490万円に対して贈与税が課されます。
受け取った贈与が直系尊属からで、かつ自身が成人している場合は、特例税率での計算が必要です。国税庁によれば、課税金額が490万円のときの特例税率は20%、控除額は30万円のため、68万円の贈与税が発生します。
なお、1年間で受け取った贈与の合計額を基に計算されるため、分割で受け取っていても1年以内であれば税額は変わりません。
制度を利用すると最大1000万円まで非課税で受け取れる可能性がある
条件に当てはまっていれば「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」制度により省エネ等住宅なら1000万円まで、それ以外は500万円まで非課税で受け取れます。ただし、贈与税の申告期間内に所定の手続きをしないと、この制度は適用されないため通常の贈与と同じ扱いになります。
また、条件に当てはまらないと申告しても制度は適用されません。自分が条件に合致しているのか、申告前に調べておきましょう。
出典
国税庁 「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー