実家の建て替えで「聖徳太子」の1万円札を大量に発見! 曽祖父のお金らしいけど“相続税”はかかる? 申告せずにもらって大丈夫なの?
配信日: 2024.11.08
本記事では、曽祖父の旧札を相続する場合の相続税について、相続税の制度内容とあわせて解説します。
執筆者:梅井沙也香(うめい さやか)
FP2級
控除額を超えたら相続税がかかる
相続税とは、亡くなった人の財産を受け取る際に課される税金で、基礎控除額を超えた金額にかかります。相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。
法定相続人とは民法で定められた相続人で、法定相続人の範囲と順位が決まっています。法定相続人になれる範囲は、亡くなった人と血縁関係にある人で、主に配偶者または子や父母、兄弟姉妹などが挙げられます。
まず配偶者に財産の2分の1が相続され、残りを第1順位の「子」、第2順位の「親」、第3順位の「兄弟姉妹」と、相続の優先順位にのっとって相続されます。
相続税は、相続があることを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告および納税をする義務があるため、相続税がかかる場合は早めに申告をしましょう。
曽祖父の「聖徳太子の1万円札」に相続税はかかる?
曽祖父の聖徳太子の1万円札でも、金額によっては相続税がかかるため注意しましょう。
聖徳太子の1万円札は1958年12月~1986年1月に発行されていたお札で、現在も通貨としての通用力があるため相続税の対象となります。
また、被相続人の子や親など本来の相続人が相続できない場合、相続人の子や孫などの直系尊属が相続人となる「代襲相続」をすることが可能です。
代襲相続人は法定相続人の数にカウントされるため、曽祖父の財産を相続する場合は、配偶者と孫、また代襲相続するひ孫の人数によって控除額が異なります。
例えば、曽祖父の財産を「孫2人」と「ひ孫2人(代襲相続)」で相続した場合、相続税の基礎控除額は次の通りです。
「3000万円+600万円×4人(法定相続人)=5400万円」
つまり、法定相続人が4人の場合は、「聖徳太子の1万円札」を含む曽祖父の財産が5400万円以下であれば相続税がかかることはありません。
相続するものが現在発行されていない旧札でも、経済的価値のある物を相続する場合は必ず申告するようにしましょう。
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まとめ
相続税は亡くなった人の財産を受け取る際に控除額を超えた金額にかかる税金で、「聖徳太子の1万円札」のように現在は発行されていない旧札でも、経済的価値がある物には税金がかかります。
曽祖父が所有していた財産の相続は、本来であれば配偶者と子、または親か兄弟と法定相続人の優先順位が高い順に相続されます。しかし、本来の相続人が相続できない場合は、相続人の子や孫が代襲相続をして法定相続人となることが可能です。
曽祖父の「聖徳太子の1万円札」を相続する場合は、相続する財産が基礎控除額の「3000万円+600万円×法定相続人の数」を超えた分に対して相続税がかかります。相続税がかかる場合は、期限内に申告・納税の義務があるため忘れずに申告しましょう。
出典
政府広報オンライン 相続税はいくらから?基礎控除とは?相続税の基本を確認!
政府広報オンライン 知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】
国税庁 第15条《遺産に係る基礎控除》関係
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執筆者:梅井沙也香
FP2級