大学4年生の息子が来年から通勤で車を使うので、買ってあげようと思います。子どもに車を買ってあげる場合、贈与税ってかかりますか?
配信日: 2024.12.17
例えば、子どもに車を買ってあげる場合には、贈与税は発生しないと考えていないでしょうか。親が子どもに車を購入する場合は、贈与税が課せられる可能性があります。ただし、金額によっては贈与税を免れるケースがあることも事実です。
そこで本記事では、子どもに車を購入するときの贈与税と注意点を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもに車を買うと贈与税の対象となる
親が子どもに買った車は、贈与税の対象です。車を買ってもらった子どもは、贈与税の申告が必要になります。ただし、贈与税がかからないケースもあるので、確認しておいてください。
親子間であっても贈与は発生する
現金だけでなく、車などの「物」であっても親子間で贈与すると、贈与税の対象です。贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に基礎控除110万円を超える金額が対象です。また、納税すべき金額は、贈与された財産額や子どもの年齢が18歳以上か未満かなどによって異なります。
図表1
基礎控除後の課税金額 | 一般贈与財産の控除額 (子どもが未成年) |
特定贈与財産の控除額 (子どもが18歳以上) |
税率 |
---|---|---|---|
200万円以下 | 0円 | 0円 | 10% |
300万円以下 | 10万円 | 10万円 | 15% |
400万円以下 | 25万円 | 30万円 | 20% |
600万円以下 | 65万円 | 90万円 | 30% |
1000万円以下 | 125万円 | 190万円 | 40% |
1500万円以下 | 175万円 | 265万円 | 45% |
3000万円以下 | 250万円 | 415万円 | 50% |
3000万円超 | 400万円 | 640万円 | 55% |
出典:国税庁 贈与税の計算と税暦(暦年課税)より筆者作成
例えば、大学4年生の子どもに対して親が車を購入した場合、300万円の車なら110万円の基礎控除を除いた190万円をもとに贈与税が計算されます。190万円に対して税率10%を乗じるため、子どもは19万円の贈与税を支払わなければなりません。
110万円以下なら贈与税はかからない
贈与税の基礎控除として、110万円が定められています。つまり、1年間に受贈した総額が110万円以下であれば贈与税は発生しません。
ただし、仕送りなど、子どもの生活援助をしている場合は要注意です。親から子どもへ生活費の仕送りをしても、贈与税が課せられることはありませんが、子どもが仕送りを投資や預金に使っていれば贈与税の対象になります。
また、110万円以下の車を購入しても仕送りなどの援助を行っていれば、合計で110万円を超える可能性があります。
仕送りなどの援助に贈与税がかからないようにするためには、どのような目的でお金を使ったのか、明細を残しておくとよいでしょう。親が仕送りをしている明細だけでなく、仕送りのお金で買った物のレシートなどを置いておくと安心です。
車に対する贈与税はバレる可能性がある?
車を購入しても、「誰が購入したかなど国税庁は分からないのでは?」と考えている方は多いかもしれません。しかし、車を購入すると、国土交通省管轄の運輸支局へ購入者の名義が登録されます。国税庁も登録情報を認識しており、贈与税が発生していることがバレてしまいます。
贈与税にあたることを認識しておらず無申告であれば、以下の税金がペナルティーとして課せられることに注意が必要です。
・無申告加算税
・延滞税
国税庁は、預金通帳などの出金履歴や所得の状況も確認しています。親の出金履歴と子どもが車を購入した時期が重なっていると、特に贈与が疑われやすくなります。
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子どもに車を買うなら贈与税に注意しよう
親が車を子どもに買い与える場合には、贈与税の納税義務が発生する可能性があります。履歴が残るお金の動きは税務署にバレてしまうため贈与を隠すことは困難で、申告しなければペナルティーにより重い罰則が待ち受けています。
そのため、子どもに車を買い与えるなら、110万円以下の車にするとよいでしょう。贈与税の基礎控除を超えなければ、贈与税がかかることはなく、安心して子どもに車をプレゼントできます。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税暦(暦年課税)
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー