宝くじの当せん金を家族で分ける場合「贈与税」はかかる?高額な当せん金の「使い道」とは

配信日: 2025.01.18

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宝くじの当せん金を家族で分ける場合「贈与税」はかかる?高額な当せん金の「使い道」とは
宝くじで高額当選した両親が孫に100万円のお年玉を渡したいという、一見するとあげる方ももらう方も嬉しい話なのですが、贈与税などの税金に関する疑問が解消できないと素直に喜べないという方もいるでしょう。
 
この記事では、高額当選した親族からのお祝い金と贈与税の関係性について、分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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宝くじの当選金について

宝くじで得た当選金は、所得税の対象外です。その理由は、当せん金付証票法という法律の中で「当せん金品には所得税を課さない」という定めがあるからです。
 
日本では、宝くじを販売できるのは、全国の都道府県と20の指定都市に限られており、これらの地方自治体は総務大臣の許可を得て、銀行などに発売事務を委託しています。
 
令和5年度の宝くじ販売額は8088億円で、そのうち46.7%(3780億円)は当選者に支払われる当選金として、36.7%(2964億円)は収益金として地方自治体に納められて公共事業などに使われています。この収益金が税収と見なされることから、どんなに高額の当選金であっても税金は発生しません。
 

宝くじ当選金を分けると贈与税がかかる

宝くじの当選金に所得税はかかりませんが、家族や友人と分けたり、共同購入した当選金を一人で受け取って分配したりすると、贈与税が発生することもあります。この税金は、お金を受け取った人が納めるもので、当選者本人ではなく、分配を受けた家族や友人が支払わなければならないものです。
 
なお、贈与税は基礎控除額である110万円を超えた分に対して課されます。
 

宝くじ当選金は相続税の対象に

宝くじの当選金は、受け取った人の個人財産として扱われます。そのため、当選金を受け取った後にその人が亡くなると、その金額は相続財産に含まれます。当選金は、遺産相続において特別な税制優遇がないため、他の現金と同様に相続税の課税対象です。
 

年間110万円以下の贈与は非課税

年間110万円以下の現金を受け取った場合、贈与税はかかりません。例えば、100万円を贈与されても、その金額は非課税範囲内となり、税金は発生しません。
 
しかし、110万円を超える贈与があった場合、その超過分には贈与税が課税されるため、注意が必要です。
 

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高額当選金の分布とその割合

では「宝くじ長者」たちは、どれぐらいの当選金を得てどのように使っているのでしょうか。宝くじ公式サイトの調査に基づく当選金額の内訳は表1の通りです。
 
表1

当せん金額 割合
1000万円以上~3000万円未満 63.7%
3000万円以上~5000万円未満 13.7%
5000万円以上~1億円未満 4.9%
1億円以上 17.8%

出典:宝くじ公式サイト「宝くじ当せん者レポート」より筆者作成
 
当選金額が増えるほど、その割合は減少傾向になっていますが、1億円以上の当選金を得ている人は意外と多いことが分かります。
 

高額当選者の使い道

宝くじ公式サイトが調査した当選金の使い道によると、1000万円以上の高額当選金を得た方々の使い道で最も多かったのは「貯蓄」で38.7%です。
 
次いで「旅行」が20.4%、「借入金の返済」および「家族サービス・親孝行」がそれぞれ13.2%でした。また、「土地・住宅の改築や購入」に12.3%、「車の購入」に11.8%が充てていることから、大きな買い物に使う方も一定数いることが分かりました。
 
中には、孫へのお年玉など、家族に現金を渡して「家族サービス・親孝行」として使った方もいるでしょう。しかし、具体的な数値として「家族に現金を渡したい」と明言した人々の割合は、上記の調査結果には含まれていません。
 

20代後半男女の場合:宝くじ1億円当選後の使い道

株式会社ONE FOR ONEが運営する情報メディア「あけるさいむ」は、2024年8月に20代後半の男女を対象に「宝くじで1億円当たった場合のお金の使い道」についてアンケート調査を実施しました。
 
その結果、最も多かった回答は「貯蓄」で24%、次いで「旅行」が20%となっています。少数派ではありますが、4%の人々は家族や友人にお金を分けたいと考えていることが分かりました。高額当選をすると、周囲の人々にも喜びを分けたいという思いがあるようです。
 

100万円のお年玉を渡す場合、年間総額が110万円以下なら贈与税は課されない

宝くじで高額当選した両親が孫に100万円のお年玉を渡す場合、贈与税がかかるかどうかは年間の贈与額によります。
 
日本では年間110万円以下の贈与に対して贈与税はかからないため、年間の贈与が100万円のお年玉のみの場合は贈与税が課されることはありません。
 
ただし、100万円を超える贈与を受けた場合は、その超過分について贈与税が課せられるため注意が必要です。
 

出典

宝くじ よくあるご質問
デジタル庁 e-Gov法令検索 当せん金付証票法(特別措置)第十三条
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
宝くじ公式サイト 収益金の使い道
宝くじ公式サイト 当せんについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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