父から息子の教育資金として「700万円」をもらいました。国公立大学に進学したため余りそうなのですが、残ったお金は生活費にしても問題ないでしょうか?

配信日: 2025.01.20

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父から息子の教育資金として「700万円」をもらいました。国公立大学に進学したため余りそうなのですが、残ったお金は生活費にしても問題ないでしょうか?
孫のために、祖父母や親から教育資金を渡すケースがあります。多額の教育資金を渡すために、制度の活用を検討している場合、制度の内容をよく理解しておくことが大切です。例えば、教育資金の非課税制度を利用する場合は、あくまでも教育のために使われたお金が非課税になります。
 
今回は、教育資金を非課税で一括して受け取れる制度の概要や、課税されたときの金額などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

教育資金として受け取るお金は教育資金に使った金額のみが非課税

教育資金として孫や子どもがお金を受け取ったとき、条件を満たしていれば非課税です。ただし、非課税で一括して教育資金を渡したいときは、制度を利用する必要があります。国税庁によると、まとめて教育資金を孫や子どもへ渡す場合、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が利用でき、条件は以下の通りです。

●贈与者が受贈者の直系尊属(父母、祖父母など)であること
●令和8年3月31日までに受け取っている
●1500万円までである
●受贈者の孫や子どもの年齢が30歳未満である
●受贈者の前年分の合計所得金額が1000万円以下
●教育資金として使用している
●教育資金口座を開設し、金融機関等および税務署での手続きが必要

また、教育資金の例としては、以下が挙げられています。

●入学金や授業料、教材費、修学旅行費といった学校などへ直接支払う費用
●塾やスポーツ、文化芸術活動の指導に対する対価など、学校外で教育を受けるために必要な費用で、社会通念上相当と認められる範囲のもの

もし、受け取ったお金を、孫や子どもが宝石の購入費用や遊びなど、教育と関係のない費用に使用したり契約終了時点で残額があったりすると、その金額分は通常の贈与と判断されるため、課税対象になる可能性があります。
 
そのため、余ったからと生活費に使用した場合、教育資金として使用していなければ贈与税の課税対象になるでしょう。
 

贈与税を支払っていれば生活費として使用しても問題ない

先述したように、生活費として使用した金額は、贈与税が課税される可能性があります。しかし、税金を支払ってさえいれば、余ったお金の使用用途は孫や子どもが自由に決められるでしょう。税務申告をしないままに使用すると、あとで税務署から指摘される可能性があるため、納税忘れをしないよう期限内に申告することが大切です。
 
今回は、以下の条件で教育資金が余ったときにかかる贈与税額を求めましょう。

●700万円のうち250万円を大学の教育費として使用
●契約終了時点でほかに贈与はない

まず、契約終了時点で残りの金額は450万円です。贈与税は110万円(基礎控除)を差し引いた金額を基に計算するため、340万円が課税金額になります。国税庁によると、祖父から孫へ贈与した場合の特例税率は15%、控除額は10万円です。計算をすると、贈与税は41万円が課されます。
 

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生活費を別で渡すと原則として非課税になる

制度を利用しなくても、生活費として渡したお金なら原則として非課税になります。国税庁によると、祖父母や両親、兄弟姉妹などから生活費や教育費のために渡されたお金は、通常必要と認められる金額であれば非課税になるためです。
 
もし、生活費の支援もしたいと考えているときは、教育資金としてまとめてもらわずに、生活費が必要になったタイミングで別で送ってもらった方がよいでしょう。
 

税務申告をしていれば生活費にできる

制度を利用すれば、非課税で孫や子どもへ教育資金をまとめて渡せます。しかし、非課税と認められるのは、教育のために使用したお金のみです。もし、株式や宝石の購入費などほかの目的で使用すると、使った分は非課税になりません。また、契約終了時点でお金が残っていたときも課税対象となります。
 
余ったお金を生活費として使用するには、税務申告が必要です。契約終了時点での残額とそのほかの贈与額を合計して計算しましょう。申告を忘れていると、あとから追加で税金が課される可能性もあるため、注意が必要です。
 
税金負担もなるべく少なくしたいなら、まとめて700万円をもらわずに、一部を生活費として受け取る方法があります。
 

出典

国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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