実母と義母から息子が進学するときに「120万円」もらいました。別々で受け取ったら「贈与税」はかからないですか?
配信日: 2025.01.25
場合によっては計算式が複雑になる可能性があるので、間違えないように確認することが大切です。今回は、複数人から贈与されたときの計算方法や税率などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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贈与税は1年間で受け取った財産の合計額を基に計算する
贈与税は、1年で受け取った金額が基礎控除である110万円を超えていると発生する税金です。1年で受け取った金額の計算時には、全ての贈与を合計します。そのため、1人から受け取った金額は非課税になる範囲内でも、合計額が超えていれば申請しなければなりません。
例えば、以下の条件で複数人から贈与を受け取ったときの税額を計算しましょう。
・実母から60万円、義母から60万円をもらった
・同じ年にほかの贈与はない
片方から60万円だけでは課税対象になりません。しかし、2人からもらったことで120万円になったため、贈与税の課税対象です。120万円から110万円を除いた10万円に対して課税されます。国税庁によると、税率は10%のため、支払う金額は1万円です。
なお、例に挙げた2人以外からも財産を受け取っていたときは、税額や税率が変動する可能性があります。
状況によっては同じ贈与額でも税額が変わるケースもある
贈与税は受け取った相手によって税率が変わるケースがあります。税金の計算をするときに使用する税率が、18歳以上の方へ直系尊属からの贈与に対する「特例税率」とそれ以外の場合の「一般税率」で分かれているためです。
複数人から贈与されていたときは、全体の金額に加え、それぞれの税率で計算した割合も算出する必要があります。国税庁によると、特例税率は表1、一般税率は表2の税率です。
表1
基礎控除後の課税金額 | 200万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1000万円以下 | 1500万円以下 | 3000万円以下 | 4500万円以下 | 4500万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | なし | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」を基に筆者作成
表2
基礎控除後の課税金額 | 200万円以下 | 300万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1000万円以下 | 1500万円以下 | 3000万円以下 | 3000万円超 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
控除額 | なし | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」を基に筆者作成
なお、未成年の子どもは祖父母や両親から受け取っていても一般税率で計算します。
2種類の税率が同時に適用されるときの計算方法
同じ年に複数人から受け取っており、一般税率と特例税率のどちらにも該当する場合は以下の手順で計算します。
(1)贈与総額から基礎控除額を差し引き、一般税率で計算する
(2)(1)の金額のうち、実際に一般税率に該当する方から受け取った金額の割合をかける
(3)贈与総額から基礎控除額を差し引き、特例税率で計算する
(4)(3)の金額のうち、実際に特例税率に該当する方から受け取った金額の割合をかける
(5)(2)と(4)の合計値が税額
多くの方から贈与される機会があった年は、計算を間違えないように注意しましょう。
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別々に受け取った場合でも贈与税の計算では合算する
もし同じ年に複数人から贈与されたときは、全ての贈与額を合算してから税金を計算する必要があります。仮にそれぞれが基礎控除額を超えていなくても、合算した結果超えていれば課税対象です。
贈与税は贈与された相手などによって税率が変わるので、計算時にはチェックしておきましょう。場合によっては両方の税率が適用されるケースもあります。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー