孫へ教育資金を「一括贈与」したときの贈与税の「非課税」制度はいつまで使える?制度を使わずに課税されない方法はある?
配信日: 2025.02.04

今回は、教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税制度の概要や、制度を使わずに非課税で渡す方法などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税制度とは?
国税庁によると、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」とは、30歳未満の方が本人の教育資金に充てる費用として直系尊属から制度を活用して金銭を受け取った場合に、最大1500万円まで非課税で受け取れる制度です。
ただし、あくまでも教育資金の贈与税非課税制度なので、受け取ったお金を教育資金以外に使用すればその金額は課税されます。制度を活用するためには、金融機関に教育資金口座を開設するなど、送金前に申請が必要です。また、教育資金として受け取ったお金を使用した証明として、定期的に領収書をはじめとする証明書類の提出も求められます。
非課税制度を利用できる期間
教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税制度には利用できる期限が設けられており、国税庁によると、令和7年2月時点で令和8年3月31日までと示されています。もし孫に制度を利用して教育資金を渡したいときは、期限までに申請、送金を済ませておきましょう。
ただし、現行の制度期限は令和5年度の税制改正により適用期限が3年間延長されたものです。今後、ふたたび延長されたり変更されたりする可能性もあるため、制度を利用するときに期限がいつまでなのかはよく確認しておきましょう。
制度を利用していても、孫が30歳に達するなどで教育資金口座契約が終了する時点で口座にお金が残っていると残額は通常の贈与として扱われます。孫へお金を送るときには、必要な分だけ送るようにしましょう。
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もし非課税制度を利用できなくなるといくら課税される?
教育資金一括贈与の非課税限度額である1500万円を、制度の適用なしに孫へ渡した際の贈与税額を求めましょう。条件は以下の通りです。
・1年間で1500万円を受け取る
・同じ年にほかの贈与はない
・孫は成人している
贈与税の基礎控除(110万円)を引いた1390万円に対して税金が課されます。また、今回のケースだと直系尊属から成人済みの孫へ贈与しているため、適用されるのは特例税率です。もし孫が未成年なら一般税率になり、税率が変わります。
国税庁によれば、特例税率で課税対象金額が1390万円のときの税率は40%、控除額は190万円です。計算をすると、贈与税額は366万円になります。
非課税でお金を渡す方法
贈与税には、非課税制度を申請しなくても非課税で財産を受け取れる項目が定められています。国税庁のホームページで公表されている非課税項目のうち、制度を利用しないで、祖父母から孫へ渡すお金に該当するのは以下の項目です。
・夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
・個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
生活費や教育費のための財産は、必要になるたびに必要な分だけ渡した場合に限られます。例えば、孫の入学費用や学費が必要になったときに、都度その金額を支払えば課税されずに孫の教育費を援助できるでしょう。
さらに、お年玉も高額すぎなければ非課税と判断される可能性があります。孫にお金を渡したい場合は、お年玉で社会通念上相当と認められる範囲の金額を渡し、そのほか教育費が必要になるたびに支援すると、課税されずに済むでしょう。
制度を利用せずに必要なタイミングで教育費を渡す方法もある
教育資金を一括贈与するときの贈与税非課税制度は、令和7年2月時点では令和8年3月31日までと定められています。人によっては、孫に渡すタイミングで期限を超えてしまい、非課税制度を利用できなくなる可能性もあるでしょう。
しかし、非課税項目を活用し、教育費を必要になったときに都度支払えば非課税で孫を支援できます。今後支払う予定のある方は、入学費用がいくらになるかなど具体的な金額を把握しておきましょう。
出典
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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