父が亡くなり遺品整理をしていると「600万円」のタンス預金を発見!申告せずに毎月の生活費として使ってもよい?

配信日: 2025.04.19 更新日: 2025.07.02
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父が亡くなり遺品整理をしていると「600万円」のタンス預金を発見!申告せずに毎月の生活費として使ってもよい?
親が亡くなったあとの遺品整理で、タンス預金が見つかるケースがあります。1人で遺品整理を行っていたときにタンス預金を見つけると、生活費として使いたいと考える方もいるかもしれません。
 
しかし、タンス預金も場合によっては課税される可能性があるため、注意が必要です。今回は、タンス預金が相続財産に含まれる理由や、未申告のままだとどうなるかなどについてご紹介します。
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タンス預金は相続財産に含まれる

相続財産は、亡くなった本人が亡くなるまでに有していたすべての財産が対象になります。タンス預金も例外ではありません。タンス預金を見つけたときは、ほかの相続財産と合計して相続税を申告する必要があります。
 
例えば、タンス預金が600万円、ほかの相続財産が5000万円、相続人数は1人だけだったとしましょう。相続税の基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人数」なので、今回のケースだと3600万円です。
 
相続財産の合計が5600万円のため、基礎控除を引いた2000万円に対して相続税が課されます。国税庁によれば、課税財産が2000万円のときの税率は15%、控除額は50万円のため、今回の例だと相続税は250万円です。
 

もし申告しないまま使うとどうなる?

もし、申告しないままタンス預金を使うと、あとで税務署から未申告分の相続財産に対して指摘が入る可能性があります。税務署は口座や取引履歴などを調査できるためです。普段の生活費の動きや、亡くなった方が亡くなるまでに行っていた口座の取引履歴などから、タンス預金の存在を把握する可能性は十分にあり得ます。
 
もし、過少申告がバレた場合、未申告分に対して足りない分の税金の納税に加え、不足分の過少申告加算税と延滞税の納付も必要になるでしょう。国税庁によると、過少申告加算税は、修正申告のタイミングによって税率が変わります。

●調査の事前通知が来る前に自主的に修正申告をした、もしくは過少申告に正当な理由がある:不適用
●調査の事前通知が来たあと、更正される前に修正申告をした:5%、ただし期限内申告の税額と50万円のうちいずれか高い方を超える部分に対しては10%
●税務署から更正を受けた:10%、ただし期限内申告の税額と50万円のうちいずれか高い方を超える部分に対しては15%

また、延滞税は法定納期限から過ぎた日数に応じて課される税金です。同じく国税庁によると、以下の順番で計算します。

(1)「納付すべき本税の額×延滞税率(令和4年1月1日~令和7年12月31日なら年2.4%)×法定納期限の翌日から完納日または2ヶ月を経過する日」を求める
(2)(1)の金額を365(日)で割る
(3)2ヶ月以上の延滞があるときはさらに「納付すべき本税の額×延滞税率(令和4年1月1日~令和7年12月31日なら年8.7%)×2ヶ月を経過した日の翌日から完納日まで」を求める
(4)(3)の金額を365(日)で割る
(5)(2)と(4)の合計値が延滞税の額

タンス預金分を未申告のままでいても、こうして追加で税金が課された結果、余計に税金の負担が増えることもあるので、必ず期限内に申告しましょう。
 

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タンス預金についてあとから修正申告をしないためのポイントは生前の確認

修正申告をしないためには、親が生前元気なときにタンス預金や隠している財産がないかよく確認しておきましょう。親が伝えたがらないときは、正式な遺言書の形でタンス預金の形を記してもらうと、亡くなったあとに子どもへ伝えられます。
 
なお、タンス預金は手元で財産管理ができる一方で、紛失や盗難のリスクもあるため、可能であればしっかり口座で管理した方がよいでしょう。
 
また、相続時にほかの相続人とタンス預金の所在についてトラブルになる可能性もあります。親と話し合ったうえでタンス預金の場所を教えてもらうか、遺言書に書いておいてもらうなどをすると、親の亡くなったあとに遺族間で相続トラブルにつながりにくくなるでしょう。
 

タンス預金も相続財産として申告をしなければならない

タンス預金も相続財産の一部なので、金額によっては相続税の申告が必要です。申告をせずに、勝手に使うことはやめましょう。もし、タンス預金分の相続財産を加えないまま相続税の申告をすると、あとで過少申告加算税や延滞税がかかる可能性があります。
 
あとから課税されないためには、親が元気なときにタンス預金がないかを確認しておくことが大切です。遺族間のトラブルを防ぐことにもつながるので、親がタンス預金を持っているときはよく話し合っておきましょう。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和6年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2026 確定申告を間違えたとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について
国税庁 延滞税の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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