姉から「150万円」の指輪を「20万円」で譲ってもらいました。お金は支払っているし「贈与税」はかかりませんよね?
今回は、お金を支払っていても贈与税が課される条件や、課税されずに指輪を安値で受け取る方法などについてご紹介します。
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お金を払っていても贈与税が課される場合がある
お金を払って譲ってもらった場合に贈与税が課税される条件は「本来の金額から考えて著しく低い金額で譲ってもらったとき」とされているようです。
国税庁によると、「個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額は、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます」と示されています。
時価とは、土地や家屋などなら実際に取引した場合における価格、それ以外の財産は相続税評価額のことを指すようです。
例えば、150万円の指輪を20万円で譲ってもらった結果、贈与税の課税対象になったとしましょう。この場合、本来の金額との差額130万円から基礎控除110万円を差し引いた20万円が課税対象になると考えられます。20万円のときの税率は10%のため、贈与税は2万円になります。
なお「著しく低い価格」の明確な基準は示されておらず、所得税法における譲渡所得の著しく低い価格とされる「資産価値の2分の1未満」とは異なるので、注意しましょう。贈与税の課税対象となるのかどうかは、その時々の具体的な状況によって判断されると考えられます。自身で判断がつかないときは、法律の専門家や税務署に問い合わせた方がよいでしょう。
課税されずに指輪を安値でもらう方法
贈与税は110万円を超えていると課されるので、指輪の本来の金額と実際に支払った金額の差が110万円以内におさまるようにすると、贈与税は課されないと考えられます。ただし、指輪が110万円以内におさまっていたとしても、同年にほかの贈与があり、その合計が110万円を超えていると贈与税の課税対象になる可能性があります。
110万円を超えそうなときは、非課税項目を活用できないか確認しておきましょう。国税庁によると、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」は非課税です。
もし、進学祝いや就職祝いとして、安値で指輪をもらった場合は、非課税になる場合があります。ただし、お祝いで渡すときも、贈与したものが高額になると贈与と判断されるケースもあるようです。
あまりにも低い価格で譲ってもらった場合は贈与税の課税対象になる場合がある
例えお金を支払っていても、本来の金額と比較して非常に低い金額で指輪や宝石などの財産を譲ってもらったときは、差額が贈与されたとみなされることがあります。
課税されないためには、差額が基礎控除内でおさまるようにしたり非課税項目のお祝いとして受け取ったりする方法が考えられます。
贈与を受ける際に不明な点があるときは、専門家に相談することを検討するのもよいでしょう。
出典
国税庁 No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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