来月待望の「孫」が生まれる予定です。段階的に「生前贈与」を進めたいのですが、なるべく「贈与税」がかからない方法はありますか?

配信日: 2025.05.20

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来月待望の「孫」が生まれる予定です。段階的に「生前贈与」を進めたいのですが、なるべく「贈与税」がかからない方法はありますか?
祖父母にとって、孫の誕生はうれしいものです。また新しい家族が増えたタイミングで「生前贈与」を検討する方もいるかもしれません。生前贈与を行うことで、配偶者や子ども、孫などに財産を譲渡し、相続税を抑えられる可能性がありますが、その際に贈与税がかかる恐れがあります。
 
贈与税がかからないように生前贈与を進める方法はあるのでしょうか。本記事では、贈与税がかからない5つの方法を解説します。
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贈与税がかからない5つの方法

扶養義務者からの生活費・教育費の名目での贈与や直系尊属からの住宅の購入・リフォーム等資金の名目での贈与、結婚・子育て資金の名目での一括贈与は贈与税がかからない可能性があります。また、暦年課税の基礎控除や相続時精算課税制度の活用も有効です。
 

生活費や教育費の名目で贈与する

国税庁によると、扶養義務者から受け取った財産は、生活費や教育費に充てるために取得したもので、通常必要と認められる範囲であれば課税されることはありません。ここでいう生活費は通常の日常生活に必要な費用で、治療費・療養費や子育てに関する費用なども含み、教育費は学費や教材費、文具費などを指します。
 
ただし、生活費・教育費の名目で贈与してもそれを預金したり株式・不動産などの購入資金に充てていたりする場合は贈与税がかかります。
 

暦年課税の基礎控除額である年間110万円まで贈与する

国税庁によると、贈与税はその年中に贈与を受けた財産の価額の合計額から暦年課税にかかる基礎控除額(110万円)を差し引いた残りの額にかかります。したがって、贈与額が年間110万円を超えなければ課税されません。
 
ただし、この基礎控除額は受贈者1人あたりであり、贈与合計額が110万円を超えた場合は課税されます。また、毎年一定の額が同じ人から贈与されている場合にも、税務署から定期贈与とみなされ課税対象となる場合もあります。
 

結婚・子育て資金の名目で一括贈与する

こども家庭庁によると、直系尊属から孫・子名義の金融機関の口座などに結婚・子育て資金を一括贈与する場合は、孫・子1人あたり最大1000万円まで非課税となります。孫・子は18歳~50歳未満が対象で、結婚資金については300万円までです。令和7年度税制改正により、適用期限は2027年3月31日までとなっています。
 
ただし、贈与を受けた年の前年分における受贈者本人の合計所得金額が1000万円を超える場合は適用されません。なお、50歳までに使い切れなかった場合は残った金額に対して贈与税が課されます。
 

住宅の購入・リフォーム等資金の名目で贈与する

国税庁によると、直系尊属が18歳以上の孫や子どもに住宅の購入・リフォーム等資金を贈与する場合は一定額まで非課税となります。非課税限度額は「省エネ等住宅」が1000万円まで、それ以外の住宅が500万円までです。
 
ただし、特例の適用には受贈者の所得や住宅面積などの要件を満たす必要があります。適用期限は2026年12月31日までです。
 

相続時精算課税制度を利用する

国税庁によると、相続時精算課税制度とは生前贈与の際に2500万円の特別控除と毎年110万円の基礎控除が適用される制度です。60歳以上の直系尊属から18歳以上の子どもや孫に対して贈与する場合に選択できます。
 
この制度を利用して贈与された財産は、贈与者が亡くなった際に相続税として計算されます。ただし、基礎控除額以下の部分は相続財産に加算されないほか、この制度に基づき支払った贈与税額は相続税額からの控除が可能です。
 
必ずしも節税になるわけではありませんが、多額の財産や価値の上昇が見込まれる財産を贈与する場合は、この制度を利用することで間接的に節税が期待できます。
 

まとめ

基本的に、贈与額が年間110万円を超えなければ課税されません。扶養義務者から生活費・教育費の名目で贈与する場合や、直系尊属から住宅の購入・リフォーム等資金の名目で贈与する場合および結婚・子育て資金の名目で一括贈与する場合も一定の要件を満たすことで一定額まで課税対象外です。
 
また、多額の財産を生前贈与する場合や価値の上昇が見込まれる財産を贈与する場合は、相続時精算課税制度の利用をおすすめします。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4103 相続時精算課税の選択
こども家庭庁 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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