母が祖母から受け継いだ“純金のネックレス”を結婚祝いとしてもらいました。金の高騰で「110万円」を超えるようなのですが、税金の支払いは必要ですか?
そこで今回は、贈与で受け取った金品の課税対象となるケース、贈与税の申告方法について解説します。
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目次
結婚祝いで受け取った110万円を超える「純金のネックレス」は贈与税の対象となるのか?
個人から受け取った財産が年間で110万円を超える場合には贈与税の申告が必要になります。1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額が110万円を超えた場合、超過分に対して贈与税がかかる仕組みです。
ただし、110万円を超えるすべての贈与に税金がかかるわけではありません。贈与税がかからない財産にはいくつかのケースがあります。国税庁によれば、個人から受け取る香典・花輪代・年末年始の贈答・祝物・見舞いなどのための金品はそのひとつです。
ただし、このような金品は社会通念上相当(一般的な社会常識や慣習からみて妥当)と認められるものに限定されています。あまりにも高額な場合などは、贈与税の課税対象とみなされる可能性があるというわけです。
そのため、今回のケースのように結婚祝いのような慶事であっても、一定の価値を超える贈与には税金がかかる可能性があるといえます。
購入時の価格が110万円以下であれば贈与税の対象にならないのか?
贈与税の対象となるかどうかは、贈与を受けた時点の財産の評価額によって決まります。ネックレスのような金製品は、地金価格×グラム数×金の含まれている割合(24金の場合は1、18金の場合は0.75、14金の場合は0.58をかけて)算出するようです。
例えば、18金ネックレス(重さ50グラム)の贈与時の金相場が1グラムあたり8000円だった場合、その評価額は約30万円となる計算です。金製品の具体的な評価額を把握するためには、受け取った製品の素材・重量・金の価格相場などを基に計算する必要があります。
また、同じ年に母から現金やそのほかの財産も贈与されていた場合、それらを合算して110万円を超えるかどうかを判断しなければなりません。
今回のように純金(24金)のネックレスを受け取った場合、問題となるのは贈与された時点での価格です。仮に購入時は50万円だったネックレスであっても、受け取った時点での金の価格で評価した結果、110万円を超えていれば課税対象となる可能性があるでしょう。
贈与税の申告方法について
では次に、贈与税の申告方法を見ていきます。
1年間に受け取った財産が110万円を超える場合には、財産を受け取った翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告と納税が必要です。
申告には贈与税の申告書に加えてマイナンバーの記載や、運転免許証などの本人確認書類が必要になります。また、配偶者控除の特例や相続時精算課税の適用を受ける場合など、申告内容によって添付書類は異なります。いざ申告する際に慌てないよう、あらかじめ確認しておくと安心です。
また、作成した申告書類は、e-Tax(電子申告)、郵便、税務署へ持参するなどの方法で提出できます。
社会通念上相当と認められる範囲であれば非課税|課税対象となる場合、純金のネックレスをもらった時点の価値が110万円を超えるときは課税される可能性がある
純金のネックレスを受け取った場合、贈与を受けた時点での価値が110万円を超えていれば贈与税の対象となる可能性があります。贈与税はもらった時点の評価額で判断されるため、購入当初の価格ではなく贈与された時点での相場を基に確認することが重要です。
ただし、個人から受け取る香典・花輪代・年末年始の贈答・祝物・見舞いなどのための金品で社会通念上相当と認められるものには、贈与税はかからないとされています。贈与税に関して判断に迷う場合や不安なときは、お近くの税務署や税理士などの専門家に相談すると安心です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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