そろそろマイホームを建てようと思っています。家族名義の口座から支払うと「贈与税」がかかるって本当?
特に、贈与税が課税されるケースや非課税となる特例制度やその申告についてなどを中心に、具体的な例を交えてわかりやすく説明します。これから住宅購入などを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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家族名義の口座から支払うと贈与税がかかる?
住宅購入時に、家族名義の口座から購入代金を支払うと、その資金が実質的に贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる可能性があります。親や祖父母などの直系尊属からの資金援助であっても、一定の条件を満たさない限り、贈与税が発生します。
たとえば、親の口座から直接子供名義の住宅購入代金を支払った場合、その資金が贈与とみなされ、贈与税が課されることがあります。ただし、一定の条件を満たせば、贈与税が非課税となる特例制度を利用できます。そのため、家族からの資金援助を受ける際は、事前に制度の内容や条件を確認し、適切な手続きを行うことが重要です。
贈与税が非課税になる「住宅取得等資金の贈与税非課税の特例」とは?
「住宅取得等資金の贈与税非課税の特例」は、父母や祖父母など直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合、一定の金額まで贈与税が非課税となる制度です。この特例を利用することで、住宅購入時の資金援助に対する贈与税の負担を軽減できます。
令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に贈与を受けた場合、以下の非課税限度額が適用されます。
・省エネ等住宅の場合:1000万円
・それ以外の住宅の場合:500万円
省エネ等住宅とは、一定の省エネルギー性能や耐震性能、バリアフリー性能を備えた住宅を指します。具体的には、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅などが該当します。
この特例を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
・贈与者が直系尊属であること(例:父母や祖父母)
・受贈者が贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
・受贈者の合計所得金額が2000万円以下(住宅の床面積が40平方メートル以上50平方メートル以下の場合は、1000万円以下)であること
・贈与を受けた資金を、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等に充てること
・贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅に居住するか、居住することが確実と見込まれること
・住宅の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下であること
これらの要件を満たすことで、贈与税が非課税となります。ただし、特例の適用を受けるためには、贈与税の申告が必要です。
特例を受けるには贈与税の申告が必要
「住宅取得等資金の贈与税非課税の特例」を適用するためには、贈与税の申告が必須です。たとえ贈与税が非課税となる場合でも、申告を行わなければ特例の適用を受けることができません。
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに申告し、以下の書類をそろえて、所轄の税務署に提出する必要があります。
・贈与税の申告書
・戸籍謄本(贈与者と受贈者の関係を証明するため)
・住宅の登記事項証明書
・住宅の売買契約書や請負契約書の写し
・省エネ等住宅であることを証明する書類(該当する場合)
・源泉徴収票など受贈者の所得を証明する書類
・本人確認書類(マイナンバーなど)
また、住宅の種類や状況によって、耐震基準適合証明書や増改築工事証明書などが追加で必要となる場合があります。
申告を怠ると、特例の適用が受けられず、贈与税が課税される可能性があるため、注意が必要です。
家族からの資金援助は計画的に
家族からの資金援助を受けてマイホームを建てる際には、贈与税の課税対象となる可能性があることを理解し、適切な手続きを行うことが重要です。「住宅取得等資金の贈与税非課税の特例」を活用すれば、一定の金額まで贈与税が非課税となりますが、特例の適用には要件を満たし、期限内に申告を行う必要があります。
また、贈与を受けた資金の使途や住宅の名義、共有持分の登記設定などにも注意が必要です。これらの点について不明な点がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。計画的に手続きを進めることで、安心してマイホームの建築を進めることができるでしょう。
出典
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー