子どもに遺産として「1000万円」を貯めてあるのですが、生前に「教育費」として渡した方が節税になりますか?

配信日: 2025.05.29 更新日: 2025.07.02
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子どもに遺産として「1000万円」を貯めてあるのですが、生前に「教育費」として渡した方が節税になりますか?
子どもにまとめて多額のお金を渡すと、通常は贈与税が課されます。また、遺産として相続する場合でも一定金額をこえると税金がかかるため、少額に分けて子どもに渡して、税金対策をしたいと考える方もいるでしょう。
 
子どもが学生で、教育費としてお金を渡すのであれば、非課税になる場合があります。今回は、教育費として渡したお金が非課税になるケースや、相続したお金が非課税になる範囲などについてご紹介します。
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教育費であれば渡し方によっては非課税になる可能性がある

子どもの教育費としてお金を渡す場合、課税されない可能性があります。国税庁によると、扶養義務者からの生活費や教育費の支援は税金がかからない項目と示されているためです。
 
ただし、課税されないのはあくまでも教育費として必要な金額を必要なときに渡した場合に限られます。もし将来の教育費として1000万円を子どもにまとめて渡しても、しばらく教育費として使う機会がないのであれば通常の贈与と判断されるでしょう。
 
また、教育費として必要な金額を渡しても、受け取った側が貯金や株の購入など教育以外の目的に使用していた場合、その金額分は課税対象となります。
 
通常の贈与と判断されると、贈与税の1年間の基礎控除110万円を超えた金額に対して税金が課されます。例えば、1000万円が贈与税の課税対象となったとしましょう。渡された子どもは18歳の成人済みとします。
 
この場合、890万円が課税対象となり、税率30%、控除額は90万円です。そのため、子どもは177万円の税金を支払う必要があります。
 

令和8年3月末までなら非課税制度を利用できる場合も

子どもが30歳未満で令和8年3月31日までの間だと、教育資金の一括贈与制度を利用できます。
 
教育資金の一括贈与では、手続きを行ってから専用の口座に送金する形をとると、最大1500万円までの教育費を非課税で送金が可能です。まとめてお金を渡したいときは、このような制度の活用も検討するといいでしょう。
 
ただし、非課税と認められるためには定期的に送られた側が領収書など支払った項目の証明となる書類の提出が必要になります。また、教育費として送られたお金を教育目的以外で使用した場合、その金額分は課税対象です。
 
子どもに自由にお金を使ってほしい場合は、制度を活用せずに基礎控除額内におさめて渡した方がいいでしょう。
 

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遺産総額を相続税の基礎控除額以内におさめる方法もある

相続税には「3000万円+法定相続人数×600万円」の基礎控除が設けられています。そのため、遺産として渡した際に基礎控除額以内であれば、税金は課されません。
 
例えば、子ども一人のみが相続する場合の基礎控除額は3600万円です。1000万円のほかに2600万円を超える遺産がないのであれば、生前贈与をしなくても問題ないでしょう。
 
ただし、相続財産は現金だけでなく家や土地、車など亡くなった方の財産すべてが対象になります。当初渡す予定だった1000万円のほかに相続財産がないかよく確認しておきましょう。
 
もし渡す予定だった1000万円も含めた遺産総額が4000万円となったとすると、基礎控除を超えた400万円に対して課税されます。この場合、税率は10%、相続税額は40万円です。
 

金額によっては相続しても課税されないケースもある

教育費として自身が生きている間に子どもへお金を渡す場合、必要な金額の範囲で教育費として使用されていれば非課税です。また、令和8年3月31日までなら非課税制度を利用する方法もあります。
 
ただし、こうした非課税制度を利用しなくても、相続する遺産が基礎控除額以内なら税金はかかりません。渡す予定の遺産総額も考慮して、できるだけ子どもに負担のかかりにくい方法を選ぶといいでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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