親から「実家の名義を変えたほうがいい」と言われました…でも「贈与税」が心配です!「避ける方法」や「手続きの注意点」を解説

配信日: 2025.06.25 更新日: 2025.07.02
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親から「実家の名義を変えたほうがいい」と言われました…でも「贈与税」が心配です!「避ける方法」や「手続きの注意点」を解説
両親が死亡した後、財産の相続手続きにとまどった経験がある人もいるのではないでしょうか。特に実家の相続に関しては、名義人の死後に行うと手続きが煩雑です。
 
手間を軽減するために、生前の名義変更を行う人もいます。本記事では名義変更や、生前贈与の方法について解説します。また、相続に伴う税金についても知っていきましょう。
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「実家の名義変更」をすると「贈与税」がかかる可能性がある

名義人が存命のうちに行う実家の名義変更は生前贈与に当たるため、贈与税が発生します。贈与税は相続時に発生する相続税よりも税率が高い傾向です。税率だけ見れば、名義変更による生前贈与は損だと考える人もいるでしょう。
 
しかし、名義人の死後に行う相続は、名義変更の他にも相続税の申告、相続財産の調査といった手続きを行わなければいけません。
 
また、生前贈与を行うことによって、売却手続きも容易になります。高齢の名義人が認知症を発症し、介護費用捻出や施設入所費用などのために家を手放したくても、手続きが難しくなるケースがあります。
 
生前贈与を行う際は、税理士といった専門家に依頼するとよいでしょう。贈与税の計算も任せることができるため、より正確な金額を把握することができます。
 

生前贈与の方法1:暦年贈与

暦年贈与とは、暦年課税制度を利用した贈与方法です。この場合の暦年とは、1月1日からその年の12月31日までを指します。贈与税は、1年に贈与された総額から110万円を控除した金額にかかります。そのため、1年あたり110万円以下の贈与であれば非課税です。
 
この暦年課税と呼ばれる制度を利用し数年かけて生前贈与を行うことで、相続税の支払いを回避できる可能性があります。
 
表1・表2は、贈与額が110万円を超えた際の贈与税率です。
 
表1

贈与総額-110万円 一般税率(パーセント)
~200万円 10
~300万円 15
~400万円 20
~600万円 30
~1000万円 40
~1500万円 45
~3000万円 50
3000万円超 55

※国税庁「財産をもらったとき」を基に筆者作成
 
表2

贈与総額-110万円 特例税率(パーセント)
~200万円 10
~400万円 15
~600万円 20
~1000万円 30
~1500万円 40
~3000万円 45
~4500万円 50
4500万円~ 55

※国税庁「財産をもらったとき」を基に筆者作成
 
特例税率とは、父母や祖父母など、直系尊属からの18歳以上の子や孫への贈与(特例贈与)にかかる税率です。贈与額によっては、一般税率よりも低くなる場合があります。
 

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生前贈与の方法2:相続時精算課税

相続時精算課税とは、60歳以上の親や祖父母から18歳以上の子どもや孫に贈与が行われる際、累計2500万円までは贈与税が非課税になる制度です。暦年贈与との併用ができないため、どちらを適用するか選択する必要があります。贈与者ごとに個別の選択ができますが、選択後は撤回ができません。
 
相続時精算課税を利用した場合、贈与累計額が2500万円を超えると、贈与税率は一律で20パーセントになります。
 
2023年の相続税および贈与税の税制改正により、2024年1月以降の贈与に関しては、併用して年間110万円の基礎控除を行うことが可能になりました。年間110万円を超えると、相続時精算課税選択届出書の他にも贈与税申告書の提出が併せて必要になります。
 
また、特定贈与の土地や建物について、災害の被害を受けている場合は、その分の被災額が控除されることが決まりました。申請の際には「り災証明書」が必要になります。
 

まとめ

生前贈与には贈与税が伴いますが、暦年課税制度や相続時精算課税制度を利用することにより、税金を軽減できる場合があります。特に、相続時精算課税制度の利用には条件があるため、「実家の名義変更」による生前贈与を検討している人は事前に調べてみるとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 2024年4月 課税方法 暦年課税
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択 2024年4月 計算方法・計算式 (1) 贈与税額の計算
国税庁 令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし 2024年1月 改正1 相続時精算課税に係る基礎控除の創設 2ページ目
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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