両親から結婚費用を「100万円」援助してもらったけど、夫は「確定申告は不要」とのこと。本当でしょうか?
本記事では、結婚費用を受けた場合の確定申告の要否について、判断基準と手続き方法を詳しく解説します。結婚費用を受け取って、確定申告をするか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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結婚費用をもらったら確定申告が必要?
原則として、1年間で110万円以上の贈与を受け取ると「贈与税」がかかります。しかし、結婚費用の援助として受け取った場合は、贈与税はかからず、申告不要となるケースも多くみられます。
ただし、金額や受け取り方法によっては贈与税の対象となり、確定申告で正しい税額を納付していないと、追徴課税の徴収を受ける可能性があるため注意が必要です。確定申告が必要かどうかは、事前に必ず確認しておきましょう。
結婚費用の援助はすべてが非課税ではない理由
結婚費用の援助でも、金額が大きすぎる場合や用途が不明確な場合は贈与税の対象です。税務署は「社会通念上相当と認められる範囲」を超える援助については、贈与とみなして課税する可能性があります。
例えば、結婚式の費用が100万円かかったのに対して、両親から500万円の援助を受けた場合、差額の400万円は贈与とみなされる可能性があります。両親から受け取った結婚費用が実際の支払額と見合っているかを税務署に証明するために、領収書や支払い証明書を保管しておくといいでしょう。
制度活用で300万円まで非課税に
結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度は、20歳以上50歳未満の人が祖父母や両親から結婚・子育て資金を受け取る際に利用できる制度です。非課税限度額の総額は1000万円で、そのうち結婚資金としては300万円まで使用することができます。
この制度を利用するためには、以下の手続きを行う必要があります。
・金融機関で専用の口座を開設
・贈与契約書の作成
・税務署への届出書の提出
・支払時の領収書の保管・提出
制度を利用しない場合は、年間110万円の基礎控除額を超える贈与については贈与税がかかります。
結婚祝いは確定申告しなくていい?
結婚祝いの多くは確定申告の必要はありませんが、金額や贈り主によっては贈与税の対象となる場合があります。一般的に、親族や友人からの結婚祝いは社会通念上相当と認められる範囲内であれば非課税です。
ただし、高額な場合や証拠が残る形で受け取った場合は、贈与とみなされる可能性があるため注意が必要です。
金額・贈り主によっては贈与税がかかる場合も
結婚祝いが贈与税の対象となるかどうかは、金額と贈り主との関係によって判断されます。
例えば、以下は贈与税の対象となる可能性があります。
・両親から1000万円を超える現金の結婚祝い
・親族以外から100万円を超える現金の結婚祝い
・法人(会社)からの結婚祝い
銀行振込など「証拠が残る」と税務署にバレやすい
現金での結婚祝いと異なり、銀行振込や小切手などの証拠が残る形での受け取りは、税務署に把握されやすいといった特徴があります。金融機関は一定額以上の取引について税務署に報告する義務があるためです。
同一人物から年間100万円以上の振り込み、複数回に分けて振り込まれた場合の合計額、海外からの送金などは特に注意が必要です。証拠が残るような高額な結婚祝いを受け取った場合は、適切に申告を行いましょう。
結婚費用を援助してもらったら確定申告の要否を必ず確認しよう
結婚費用の援助を受けた場合、確定申告の要否は金額や用途、適用制度によって大きく変わります。結婚費用を援助してもらった場合、それが「お祝いだから」「家族だから大丈夫」と思い込んで申告を怠ると、後々トラブルになることがあります。
特に年間110万円を超える援助を受けた場合や、結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度を利用する場合は、適切な手続きが必要です。レシートや領収書などで受け取った金額と用途を正確に把握しておき、不安な点については、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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