娘が毎月「7万円」を生活費として送ってくれます。年金生活でお金は余るけど、“全部もらっても税金は大丈夫”ですか?
今回は、仕送りしてもらった生活費が非課税になる条件や老後の生活費の目安などについてご紹介します。
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目次
生活費として使用していれば基本的に税金はかからない
生活費として必要な金額を受け取っている場合には、基本的に税金はかかりません。国税庁によると、扶養義務者から生活費として支援を受けたお金は、必要になったタイミングかつ必要な金額の範囲内であれば非課税になると示されているためです。
ただし、場合によっては生活費として受け取っていても税金が課されるケースもあります。
余ったときは税金がかかる可能性も
送ってもらったお金を、生活費ではなく貯金やほかの用途に使用すると、非課税項目の条件を満たさなくなるため、通常の贈与として判断されます。通常の贈与の場合、年間の基礎控除として設けられている110万円を超えて受け取ると、贈与税の課税対象です。
もし、月に7万円を受け取っていた場合、「7万円×12ヶ月」でも84万円のため、娘から受け取ったお金だけでは課税されません。しかし、同じ年にほかに26万円を超える贈与があると、基礎控除を超過するため、税金が課されます。
例えば、仕送りをすべて貯金に回して、同じ年に50万円の贈与もあったとしましょう。この場合、年間の贈与額は「84万円+50万円」で134万円になります。基礎控除を差し引いた24万円が課税対象です。国税庁によれば、税率が10%のため、贈与税は2万4000円を支払うことになるでしょう。
年金生活者が必要な生活費はいくらくらい?
必要な範囲の生活費を、必要なときにもらうのであれば非課税になるため、お金を受け取る前にまずいくらくらい必要かを算出するとよいでしょう。
ひとつの目安として、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の無職かつ単身世帯における平均消費支出は月14万9286円、平均非消費支出は月1万2647円で、合計16万1933円でした。
一方、平均実収入は月に13万4116円なので、1ヶ月の支出額と実収入では2万7817円の差があります。もし、データを基にするなら、一般的な世帯では支援金額は3万円程度で足りる計算です。
ただし、実際の出費は世帯の支出や年金状況などによって変動します。データだけを参考にするのではなく、実際に必要な金額も考慮したうえで、支援してもらう金額を決めるとよいでしょう。
必要なときに親から支援を求める方法も
子どもから毎月一定額を受け取ると、生活費の支援として助かるものの、必要以上に受け取っていれば贈与税の課税対象になる可能性があります。しかし、毎月ではなく、必要なときに必要な金額だけ生活費を支援してもらうようにして、基礎控除の範囲内に収めれば課税されないでしょう。
ただし、いきなり子どもに「お金を支援してほしい」と伝えても、用意できない可能性もあります。子どもに、渡す予定のお金を積み立てておいてもらい、必要になったときにそこから支出してもらうと、急な出費が発生しても対応できるでしょう。
余った分を貯金していたら税金がかかる可能性がある
生活費を必要な範囲で、必要になるたびに直接支払うためのお金として支援してもらった場合は、贈与税はかかりません。しかし、余ったお金を貯金に回すと、通常の贈与と判断されて税金が課される可能性があります。
税金の負担をなるべく避けたいなら、平均支出や実収入などのデータ、自分のライフスタイルなどを基に、生活費として必要な金額を算出するとよいでしょう。
なお、子どもにお金を依頼するときは、いきなりこの金額が欲しいと伝えるより、もらう予定だった仕送り分を積み立ててもらっておくと、急な出費に対応しやすくなります。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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