“独身の兄”が亡くなりました。喪主をするのですが、葬儀費用は「全額喪主」が払うことになるのでしょうか?

配信日: 2025.09.03
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“独身の兄”が亡くなりました。喪主をするのですが、葬儀費用は「全額喪主」が払うことになるのでしょうか?
突然、独身のお兄さまが亡くなり、喪主を務めることになった方へ。「葬儀費用は喪主がすべて支払うものなのか? 」と不安に感じていませんか。
 
実は、法律で「喪主が全額負担する」と決まっているわけではありません。実務上は喪主が支払うケースが多いものの、親族で分担したり、故人の預貯金や香典を充てたりする方法もあります。本記事では、喪主の負担の実態、費用の分担方法、トラブルを防ぐ工夫を解説します。
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喪主が全額負担するのは慣習であり、法律上の義務ではない

株式会社鎌倉新書が行った「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」によると、葬儀費用の総額は118.5万円でした。
 
多くの家庭では、喪主が葬儀社との契約者となり、そのまま費用を支払う流れになります。そのため「喪主=全額負担」と考えられがちです。しかし、民法などの法律には「喪主が支払うべき」とは書かれていません。あくまで慣習としてそうなることが多いだけです。
 
裁判例でも「実際に葬儀を取り仕切った人が支払うのが妥当」とされることがあります。そのため、喪主が負担した費用を後から他の相続人に請求できないケースもあります。したがって、喪主を引き受ける場合は「必ずしも自分ひとりで負担するわけではない」と理解しつつ、家族で事前に話し合っておくことが大切です。

 

葬儀費用を分担する方法や遺産からの支払い

葬儀費用を喪主が立て替えても、あとで兄弟姉妹や親族と分担することは可能です。例えば香典を差し引いた実質負担額を、兄弟で折半したり、法定相続分に応じて分け合ったりする方法があります。また、喪主が運営を担い、別の親族が「施主」として費用を負担するという役割分担も選択肢のひとつです。
 
さらに、故人の遺産を充てることもできます。預貯金があれば、銀行の「仮払い制度」によって最大150万円まで引き出し、葬儀費用にあてることが可能です。ただし、この制度を利用すると相続放棄ができなくなる場合があるため、事前に相続人全員でよく確認しましょう。遺産を使う場合は、遺産分割協議書に「葬儀費用に充てる」と明記しておくと安心です。

 

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香典や費用の扱いで注意すべき点

香典は参列者からの気持ちとして渡されるもので、一般的には喪主が受け取ります。本来は葬儀費用を補うためのものですが、費用を親族で分担するなら、香典も公平に分けるか、差額を調整するのが望ましいでしょう。香典をすべて喪主が使ってしまうと、不公平感が生まれてトラブルの原因になりかねません。
 
また、領収書や香典帳などのお金の記録は必ず残しておくことが大切です。親族全員に内容を共有すれば、「誰がいくら負担したのか」「香典がいくら集まったのか」が透明になり、後々の誤解を防げます。

 

トラブルを避けるための工夫と心構え

葬儀費用をめぐるトラブルは、金額よりも「情報を隠された」「勝手に決められた」という不信感から生まれることが多いです。そのため、喪主になったら費用や香典の扱いをオープンにし、兄弟姉妹と率直に話し合いましょう。
 
どうしても一人で抱え込みがちですが、役割を分け合い、書面化しておくことで安心感が増します。喪主にとって負担は大きいですが、親族が協力し合えばスムーズに進められます。大切なのは「誰がいくら出すか」ではなく、「家族で納得して兄を見送ること」です。

 

喪主が全額負担しなくてもいい、家族で協力して葬儀を進めよう

喪主が葬儀費用をすべて払うのは、あくまで慣習であり法律上の義務ではありません。兄弟姉妹での分担、施主の設置、遺産や香典の活用など、負担を軽減する方法は多くあります。
 
大切なのは、事前に親族としっかり話し合い、費用や香典の扱いを透明にすることです。お金の問題で争うのではなく、協力して故人を温かく見送れるよう準備していきましょう。

 

出典

株式会社鎌倉新書 第6回お葬式に関する全国調査(2024年)
一般社団法人全国銀行協会 遺産分割前の相続預金の払戻し制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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