父の遺品整理でタンス預金「500万円」を発見! 自分の銀行口座に入金すると、相続税がかかりますか?

配信日: 2025.09.08
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父の遺品整理でタンス預金「500万円」を発見! 自分の銀行口座に入金すると、相続税がかかりますか?
両親からの相続で実家の整理をしていると、追加で遺産が見つかる場合もあります。追加で見つかった遺産は口座へ入金しても「口座に入れるだけだから課税されないのでは?」と考える人もいるかもしれません。
 
今回は、追加で見つかった遺産を口座に入金するか否かで相続税の課税金額に影響するのかや、追加で遺産が見つかったときの対処法などについてご紹介します。
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追加で見つかった遺産を自分の口座に入金した場合相続税の課税対象となる?

追加で見つかった遺産は、口座に入金の有無にかかわらず、課税対象の相続財産として扱われます。ここでは、相続税が課せられる財産の種類と、追加で見つかった遺産が課税された場合の税額例について確認しましょう。
 

相続税が課せられる財産の種類

国税庁によると、相続税が課される財産は遺産のうち「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と示されています。さらに、生命保険金や死亡退職金についても、一定額を超える部分は課税対象です。
 
そのため、タンス預金など故人の遺産の一部を口座に移したとしても、入金した金額と自宅で現金保管している金額のどちらも相続税の課税対象となります。すべての遺産の合計金額によっては課税されるでしょう。
 

追加で見つかった遺産が課税された場合の税額例

追加で見つかった財産が課税対象となった場合、実際にどれくらいの税額になるのか知りたい人も多いはずです。その一例をご紹介します。

●相続財産はタンス預金500万円、現金2000万円、家2000万円
●法定相続人は子ども1人のみで、遺贈で受け取った人物もいない
●相続税の課税対象となる贈与はない
●葬式費用や負債などは考慮しない
●基礎控除以外の控除はない

まず、相続税は相続財産の合計から「3000万円+600万円×法定相続人数」の基礎控除を差し引いてから計算します。今回は1人のみなので、基礎控除額は3600万円です。相続財産は合計4500万円のため、基礎控除を差し引いた900万円が課税対象になります。国税庁によれば、課税価格900万円に対する税率は10%のため、相続税額は90万円です。
 

追加で見つかった遺産の対処法

追加で遺産が見つかった場合は、ほかの相続財産と合わせて必要に応じて相続税の申告をしましょう。ほかの相続財産と合わせても基礎控除額を超えなければ課税対象ではないため、申告は必要ない可能性があります。ただし、小規模宅地等の特例を受けるときや、生前贈与があるときなどは申告が必要になるケースもあるので、注意しましょう。
 
相続税の申告をしたあとで申告期限が過ぎてから追加で遺産が見つかった場合は、修正申告を行います。基本的に相続税の申告用紙と同じ書類で申告できるので、書類の修正申告の欄に必要事項を記載して提出しましょう。
 
なお、追加で遺産が見つかった際、相続税の負担を減らそうとして一部のみを申告し、残りを隠すことは絶対に避けるべきです。
 
遺産を隠したとしても、税務署は亡くなった人や相続人が利用している口座のお金の動きや収入状況などを調査、把握できるといわれています。そのため、追加で見つかった遺産を隠しても税務調査で結局見つかることとなり、「意図的に税額を少なく申告しようとして遺産を隠した」として追加で「過少申告加算税」や「重加算税」が課される可能性もあります。
 
結果として自分の負担する税額が増えるだけなので、追加の遺産が見つかった場合は隠さずに全額を相続財産として申告しましょう。
 

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申告期限が過ぎていた場合どうなるのか

修正申告をしない場合でも、申告を忘れていたなどで相続税の申告が期限を過ぎてしまう場合があります。期限を過ぎていても申告は必要なので、できるだけ早く申告書を提出し、納税しましょう。
 
修正申告や期限後申告を含め、期限を過ぎて申告すると、その期間に応じて延滞税が課されます。国税庁によると、延滞税は税金の利息に相当する税金です。そのため、申告が期限から遅くなるほど支払う延滞税額も高くなります。
 

タンス預金など追加で見つかった遺産は、口座の入金の有無にかかわらず課税される可能性がある

追加で見つかった遺産は口座に入金していなくても、故人の財産であるため相続財産として扱われます。ほかの相続財産と合計して基礎控除を超えていれば課税対象です。一部のみを入金してほかは隠すなどをすると、相続税の過少申告行為と判断される可能性があるのでやめましょう。
 
なお、期限を過ぎて税金の申告をすると、追加で延滞税が課される可能性があります。税金負担を増やさないためにも、相続税が課されると分かった時点で申告、納税をするようにしましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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