兄の会社名義のマンションに家賃を払わず住んでいます。「贈与税」の対象になると友人から聞いたのですが本当ですか?家賃は「月10万円」なのですが、贈与税はいくらになるでしょうか?

配信日: 2025.09.23
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兄の会社名義のマンションに家賃を払わず住んでいます。「贈与税」の対象になると友人から聞いたのですが本当ですか?家賃は「月10万円」なのですが、贈与税はいくらになるでしょうか?
「家賃を払わずに住んでいると、贈与税がかかるのでは?」と不安に思うこともあるでしょう。特に兄弟や親の会社が所有する物件に住んでいる場合、税金の扱いが気になるところです。
 
実はこのケース、贈与税ではなく所得税の問題になる可能性が高いのです。
 
本記事では、家賃を払わずに住んだ場合の税務上の考え方、会社名義の物件ならどう判断されるのか、さらに月10万円相当のケースでどのくらいの税額になるのか解説します。
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家賃を払わず住むと税金がかかる? 贈与税の基本ルール

税法上の「贈与」とは、個人が他の個人に財産を無償で渡すことをいいます。これはお金や物だけでなく、住居を無償で提供する場合も対象になることがあります。
 
たとえば、親が子どもにマンションを貸し、家賃を受け取らない場合、「生活援助」とみなされると贈与税は課税されません。しかし、賃料が高額な場合など、「本来なら支払うべき家賃分の利益」を子どもが受けているとみなされると、贈与税の対象になる可能性があります。
 
ただし、贈与税はあくまで個人と個人の間のやり取りが対象です。今回のように「兄の会社名義」の場合は、仕組みが異なり、贈与税の対象にはなりません。
 

会社名義のマンションに住む場合はどう扱われる?

法人が所有するマンションに無償で住む場合、税務上は「法人から個人への経済的利益の提供」と見みなされます。この場合、贈与税ではなく所得税が問題になります。
 
具体的には、税務署が「本来10万円の家賃を支払うべきなのに、ゼロで済んでいる」と判断すると、その10万円が給与所得として扱われ、所得税の対象になります。
 
一方で、会社側も「本来得られるはずの家賃収入を放棄した」と判断されるため、法人税の面でも調整が必要になることがあります。つまり、このケースは個人と法人の双方に影響が及ぶ可能性があるのです。
 

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月10万円の家賃相当額はどのくらい課税される?

ここで、月10万円のマンションに1年間無償で住んでいると仮定しましょう。年間で得られる経済的利益は120万円です。
 
もしこれが「贈与税」の仕組みであれば、基礎控除110万円を超える10万円が課税対象となります。贈与税の税率は、課税価格に応じて異なります。課税対象が10万円のみであれば税率は10%のため、贈与税額は1万円となります。
 
しかし、実際には法人からの提供なので、贈与税ではなく所得税の対象です。所得税の場合は、その人の他の所得と合算して課税されます。
 
たとえば、給与所得がある人なら、その給与にこの120万円分が上乗せされ、課税所得が増える仕組みです。
 
したがって、正確な税額はその人の年収や控除額によって変わりますが、「年間120万円分の家賃を得ている」とみなされる可能性がある点は押さえておきましょう。
 

税金リスクを減らすためにできること

無償で住み続けると、税務署から経済的利益と判断され、思わぬ課税につながるおそれがあります。リスクを下げるためには、以下のような対応が効果的です。
 
・契約書を交わし、実際に家賃を支払う
 
形式だけではなく、きちんと振り込みや領収書を残すことが大切です。
 
・家賃を相場に近い金額にする
 
相場とかけ離れた低額だと、その差額が利益と判断される可能性があります。
 
・専門家に相談する
 
法人との関係(役員か従業員か、株主かなど)によって最適な処理は変わります。税理士に相談し、契約や会計処理を整えておくと安心です。
 

まとめ

親族の会社名義のマンションに家賃を払わず住んでいると、「贈与税がかかるのでは?」と不安に思うかもしれません。確かに贈与税の仕組みを使えば年間1万円程度の税額が試算されますが、実際には法人から個人への利益提供になるため、贈与税ではなく所得税として課税されることが原則です。
 
不要な税務リスクを避けるには、適正な契約を結び、実際に家賃を支払うことが一番の対策です。どう処理するのが正しいかは状況によって異なるため、早めに税理士に相談して確認しておくことをおすすめします。
 

出典

国税庁 財産をもらったとき
国税庁 所得税のしくみ
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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