老後資金に「月5万円」を、夫の口座から“妻の自分の口座”に移動。贈与税がかかると聞きましたが、「夫婦のお金」なら大丈夫ですよね?

配信日: 2025.09.21
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老後資金に「月5万円」を、夫の口座から“妻の自分の口座”に移動。贈与税がかかると聞きましたが、「夫婦のお金」なら大丈夫ですよね?
老後資金のため、夫の給与が振り込まれた口座から妻の自分名義の口座に移動することもあるのではないでしょうか。夫婦にとって財産は、2人で一緒に築いて管理するものと考える人も多くいます。
 
ただ、「夫婦間のお金のやり取りなら税金はかからない」と勘違いしている人も少なくありません。
 
本記事では、夫婦間でも、2人のためのお金でも税金がかかるのか、年60万円でも贈与税はかかるのかについて解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

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夫婦間の資金移動でも贈与税がかかることがある

結論、夫婦間で資金移動があった場合でも、贈与税が課されます。
 
夫婦は家族としてともに生活しているため、「お金は共有の財産」という意識でいる人も多いでしょう。しかし、夫婦間であっても、お金を無償であげる行為は「贈与」にあたり、贈与税の課税対象になる場合があります。
 
「あげるという意思はなかった」「2人のために使うお金だった」という気持ちでお金を渡す人もいます。ただ、実際に口座へお金が振り込まれていたり、現金を受け取っていたりすると、贈与税の支払いが必要になることもあるため注意しましょう。
 
なお、贈与税の納税義務があるのは「お金を受け取った側」です。
 

夫婦間で贈与税がかからないケース

夫婦間のお金のやり取りでも贈与税が課される可能性はありますが、かといって何もかも贈与税がかかるわけではありません。
 
以下の2つの条件に当てはまるお金のやり取りに関しては、贈与税がかかりません。
 

年間110万円以下の資金移動

夫婦間だけでなく全ての贈与に関係する基本的なルールとして、贈与税には「年間110万円分」の基礎控除があります。贈与を受けた年の1月1日から12月31日までのあいだで受け取った金額が110万円以下であれば贈与税はかからず、税務署への申告も不要です。
 
つまり、月5万円(年間60万円)の資金移動であれば、お金を受け取った側(妻)は贈与税の納税が不要です。
 
ただし、贈与税の対象は1年間で「もらった金額の合計」なので、夫から60万円しかもらっていなくても、両親などほかの人から50万円を超える贈与があると贈与税の納税義務が生じます。
 

生活費・教育費にあてる資金

国税庁によると、「扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は贈与税がかからないとされています。
 
そうでなければ、夫が稼いだ給料を生活費のために妻に渡した時点で、毎回贈与税がかかることになってしまいます。
 
夫から妻に渡すお金が仮に月10万円以上だったとしても、生活費のためであれば贈与税の対象にはなりません。
 

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夫婦間で贈与税がかかるケース

夫婦間でお金のやり取りをする場合、「どんなときに贈与税が課されるのか」を把握しておくことが大切です。ここでは、夫婦間のお金の移動で贈与税がかかる代表的なケースを解説します。
 

高額な資金移動

生活費や教育費のための資金移動は贈与にはなりませんが、夫の財産を妻に分けることが目的の資金移動は贈与税の対象です。
 
貯金や投資、不動産の購入など生活費や教育費に関係ない使い方をするお金の贈与が年間110万円を超えると、贈与税の納税が必要です。
 

高額なプレゼント

生活費や教育費に関係ない物品で、嗜好(しこう)品や車といった「お金でないプレゼント」をした場合、夫婦間であっても贈与とみなされます。
 
夫名義の車を妻名義に切り替えたり、結婚記念日に110万円超の高額な指輪やネックレスをプレゼントしたりした場合が該当します。
 

まとめ

夫婦間のお金の移動であっても贈与にあたりますが、年間110万円までの贈与に贈与税はかかりません。夫から妻に毎月5万円の贈与をしているだけなら目的に関係なく贈与税はかかりません。
 
ただし、妻が夫以外の人からも月4~5万円の贈与を受けて合計で年間110万円を超えた場合、妻が贈与税を納める義務が生じる点には注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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