兄弟で遺産分割協議を終えた後に、父の「遺言書」がタンスから出てきました。一度決まった遺産の分け方は、もうやり直しできないのでしょうか?

配信日: 2025.09.27
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兄弟で遺産分割協議を終えた後に、父の「遺言書」がタンスから出てきました。一度決まった遺産の分け方は、もうやり直しできないのでしょうか?
遺産分割協議後に遺言書が見つかるケースも珍しくないでしょう。
 
あとから遺言書が見つかった場合、遺言書と遺産分割協議のどちらが優先されるのか、よく分からないという人もいるかもしれません。
 
本記事では「遺産分割協議後に遺言書が見つかった場合はどうなるのか?」ということについて、遺産分割協議のやり直しが必要になるケースや、遺言書が見つかったときにやるべきことも含めてご紹介します。
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遺産分割協議後に遺言書が見つかった場合はどうなる?

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産をどのように分割するかを話し合うことをいいます。
 
遺言書がないと思って遺産分割協議をし、その後で遺言書が見つかるケースもあるでしょう。その場合は、遺言書の内容が優先されることになります。民法第985条に「遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる」とあるように、被相続人が死亡した時点で、その内容に基づく権利が発生しているためです。
 
被相続人が亡くなってからどれだけ時間が経過していても、遺言書の内容が優先されることに変わりはありません。
 
ただし、新たに遺言書が見つかっても、遺産分割協議で決められた内容に相続人全員が合意しているのであれば、遺産分割をやり直す必要はありません。遺産分割協議の内容が遺言書の内容と異なる場合でも、最初に決めた分割方法のままでいいことになります。
 

遺産分割協議のやり直しが必要になるケースもある

相続人全員が合意している場合は遺言書が見つかっても遺産分割協議をやり直す必要はありませんが、状況によってはやり直しが必要になるケースもあります。
 
例えば、見つかった遺言書によって「遺言執行人」が指定されている場合です。この場合は遺言執行人によって遺言の内容が執行される可能性があります。ただし、遺言執行人の合意があればやり直しをしなくていい場合もあります。
 
また、遺言書に法定相続人以外の人に遺贈する内容が書かれていた場合も、遺産分割協議のやり直しが必要です。遺贈させる人も含めて、改めて話し合いをしなければなりません。
 
そのほかにも、遺言書で新たに相続人として認知された人がいる場合や、逆に遺言書によって相続人から廃除された人がいる場合にも、遺産分割協議をやり直す必要があるでしょう。
 

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遺言書が見つかった際にまずやるべきことは?

遺産分割協議後に遺言書が見つかった際には、その遺言書が法的に有効なものであるかを確認しましょう。
 
遺言書にはおもに「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」があり、以下のような特徴があります。

●公正証書遺言:公証役場で証人の立ち会いのもと、公証人の筆記により作成してもらう遺言書
●自筆証書遺言:遺言者が自分で手書きし、押印して作成する遺言書

自筆証書遺言書は開封する前に家庭裁判所での検認手続きが必要です。検認手続きとは遺言書の形状や内容を明確にするためのものですが、遺言書が有効か無効かを判断するものではありません。
 
そのため、検認手続きを経た後で、遺言書の有効性を確認する必要があります。遺言書の有効性を自分で判断することが難しい場合は、弁護士などの専門家に相談するといいでしょう。
 

遺言書が後から出てきたとしても遺言書の内容が優先され、遺産分割協議のやり直しが必要になるケースもある

遺産分割協議が終わった後で遺言書が見つかった場合でも遺言書の内容が優先されますが、相続人全員が合意している場合は、遺産分割協議で決まった内容を変更しなくてもいいことになっています。
 
ただし、見つかった遺言書により遺言執行人が指定されていたり、新たに相続人として認知された人がいたりした場合は、遺産分割協議のやり直しが必要になることもあるようです。
 
後から遺言書が見つかった場合は、まず遺言書の有効性を確認する必要があるため、弁護士に相談することも検討しましょう。
 

出典

デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五編 相続 (遺言の効力の発生時期)第九百八十五条
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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