子どもへの仕送りで「税金」が取られる可能性も!? 月いくら子に援助したら「贈与税」がかかるの?
一般的に生活費や教育費は非課税とされていますが、金額や使い道によっては贈与税の対象となることもあるのです。この記事では、仕送りと贈与税の関係や注意点を整理し、安心して援助を続けるためのポイントを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
仕送りと「生活費・教育費」の非課税ルール
親から子どもへ仕送りをする場合でも、その資金が通常必要と認められる生活費や教育費に充てられる限り、贈与税はかかりません。
国税庁も「扶養義務者から生活費や教育費に充てるために受けた財産は、通常必要と認められるものであれば贈与税の対象とならない」と明記しています。具体例としては、家賃・食費・授業料・文具費などが含まれます。
非課税とならないケース
注意が必要なのは、生活費のために仕送りしても、子どもが実際には生活費のために支出せず貯金などに回してしまったりすると、その分は通常の贈与として扱われるケースがある点です。
例えば、毎月15万円を仕送りし、家賃や食費に10万円しか使わず、残り5万円は貯金したり投資に使ったりすると、その5万円分は通常の贈与として扱われる可能性があります。
親が直接支払うのが安心
大学の授業料や下宿先の家賃のように高額な出費を援助する場合は、子どもに一括で資金を渡してしまうと、状況次第では贈与税の対象になる可能性があります。
そこで、親が直接、学校や大家に支払う方法をとると安心です。この場合、子どもが自由に使える資金を渡すわけではないため、贈与税の対象外と判断されやすいでしょう。
贈与税がかかるのはどのようなケース?
では、通常の贈与ではどのようなケースで贈与税がかかるのか見ていきましょう。
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。例えば、仕送りとは別に「臨時の小遣い」や「車購入資金」としてまとまったお金を渡し、その合計が110万円を超えると課税対象です。生活費や教育費の範囲内であっても、過剰と判断される額は贈与税の課税リスクが出てきます。
いくらまでなら安心? 仕送りする際の金額目安
前述の通り、生活費などの仕送りで贈与税が非課税となるのは「通常必要と認められる範囲」です。国税庁によれば、「ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用」であるとのことです。しかし、「通常必要と認められる」金額については明記されていません。
もし、贈与税の課税リスクを最小限に抑えたいのであれば、仕送り額を年間110万円の基礎控除額内に収める方法が最も確実です。親から子どもへの援助額が1年間で110万円以内であれば、その用途にかかわらず、贈与税はかかりません。
年間110万円を月額に直すと、約9万円となります。子どもの生活状況なども確認しつつ、最終的な仕送り額を決めるとよいでしょう。
安心して仕送りを続けるための工夫
仕送りを子どもの口座に振り込む場合は「生活費の補てん」であることが明確に分かるようにし、貯蓄に回る分が出ないよう注意が必要です。通帳に「仕送り」や「学費援助」など用途が分かるメモを残しておくことも有効です。
さらに将来的にまとまった資金を渡す予定があるなら、「教育資金の一括贈与非課税制度」を活用できます。この制度を使えば、1500万円まで子どもに非課税で教育資金を一括贈与できる特例があります。こうした制度を正しく理解して利用することも大切です。
贈与税の仕組みを理解して計画的に仕送りしよう
親から子どもへの仕送りは、状況によっては税法上「贈与」と判断される場合があります。生活費や教育費として通常必要な範囲なら非課税ですが、それを貯金や投資に回した場合などは課税リスクが生じます。
心配な場合は、年間110万円の基礎控除を目安にしつつ、学費や家賃は親からの直接支払いにするなど工夫をすれば安心でしょう。将来的にまとまった資金を渡す場合も、非課税制度などを活用して無理なく援助できるよう計画していくことが大切です。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
