親から毎月5万円の住宅ローン援助。「ありがたい」と思っていたら「贈与にならないように注意してね」と友人にと言われました。この金額でも贈与税の対象になるのでしょうか?

配信日: 2025.10.08
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親から毎月5万円の住宅ローン援助。「ありがたい」と思っていたら「贈与にならないように注意してね」と友人にと言われました。この金額でも贈与税の対象になるのでしょうか?
今回のケースは、住宅ローンの返済を親が手伝ってくれるのでしょう。友人からの指摘があったように、贈与税の対象になるかを注意する必要があります。
 
本記事では、贈与税の基本を振り返り、毎月5万円支援してもらった場合の贈与税、そしてさらに支援額を増額する場合について解説します。
堀江佳久

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

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贈与税の基本

贈与税とは、個人から財産を贈与によって受け取ったときにかかる税金をいいます。本章で、もう少し詳しく見て行きましょう。
 

1. 課税方法

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。
 
以下、それぞれについて解説します。
 
(1)暦年課税
1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与に対して課税する制度です。年間110万円までが基礎控除が適用されますので、1年間に贈与を受け取った贈与財産の総額が110万円以下であれば、贈与税の対象にはなりません。
 
したがって、親からの毎月5万円、すなわち1年間で60万円の贈与のみであれば贈与税はかかりませんし、申告をする必要もありません。
 
(2)相続時精算課税
60歳以上の両親または祖父母などが、18歳以上の子や孫などに財産を贈与する際に「相続時精算課税制度」を適用すれば、贈与税の特別控除額として最大2500万円までを非課税にすることができます。
 
この制度は、年間の贈与が対象とならずに、受けた贈与額の合計額が限度額に達するまで控除されます。限度額を上回ると、その金額に20%の税率がかかります。
 

2. 贈与税がかからない財産

贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対してかかるのが原則です。
 
ただし、財産の性質や贈与の目的などから、贈与税がかからない財産があります。以下が、贈与税のかからない主な財産です。
 

(1)法人からの贈与によって取得した財産
(2)配偶者や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者が、被扶養者の生活費や教育費として贈与する財産で通常必要と認められるもの
(3)選挙運動に関して取得した寄付金で公職選挙法の規定に従ったもの
(4)通常の見舞金・香典・贈答など社会通念上相当と認められるもの
(5)直系尊属から贈与された次の資金で所定の条件を満たす場合には、贈与税の課税対象から除外されたもの
・住宅取得等資金
・教育資金
・結婚・子育て資金

 

毎月5万円支援してもらった場合の贈与税と支援額を増額する場合

いままで見てきたように、暦年課税を適用するのであれば、親からの毎月5万円、すなわち1年間で60万円の贈与のみであれば、年間110万円の基礎控除の範囲内であるため贈与税はかかりません。
 
ただし、他の贈与との合計について留意をする必要があります。具体的には、親から受け取った60万円のほか、それ以外の贈与(親からの高価なプレゼント、他人からの現金贈与など)を受けた場合、それらの合計額が年間110万円を超えると贈与税が発生する可能性があります。
 
なお、住宅取得に関し、親がもっと支援したいということであれば、住宅取得資金の非課税制度を活用してもよいでしょう。この制度を使えば、省エネ等住宅の場合には1000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
 
また暦年課税ではなく、相続時精算課税を適用すれば、2500万円までは贈与税がかかりません。ただし、相続時精算課税選択届出書を提出する必要があるなど一定の手続きが必要です。
 

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まとめ

住宅ローンの返済を親が毎月「5万円」ずつ支援してくれる場合には、年間110万円の基礎控除の範囲内であるため贈与税はかかりません。ただし、親からの月5万円(年60万円)の贈与のほか、親からの高額なプレゼントや他者から譲り受けた財産との合計額が年間110万円以内であることが必要です。
 
また、親がもっと支援をしたいという希望がある場合には、住宅取得資金の非課税制度や相続時精算課税方式を選択する方法もあります。これらの制度について、さらに詳しい情報が必要な場合や個別の状況については、お住まいにある税務署に相談することをお勧めします。
 

出典

国税庁 No.4402 相続税がかかる場合
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
 
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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