「財産が少ない家ほどもめやすい」と言われました。相続ってそんなに簡単じゃないんですか?

配信日: 2025.10.22
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「財産が少ない家ほどもめやすい」と言われました。相続ってそんなに簡単じゃないんですか?
遺産が少ない家庭ほど「家だけは残したい」「きょうだいで公平に分けたい」という思いが衝突し、深刻な争いに発展することがあります。
 
本記事では実際のトラブル事例を交えながら、“資産が少ない相続”ほど注意が必要な理由を解説します。また、代償金や保険の活用など、トラブル回避の方法も紹介します。
稲場晃美

お金と不動産相続のコンシェルジュ
宅地建物取引士・AFP・住宅ローンアドバイザー・相続診断士

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【家しかない相続】きょうだいが憎み合う! 「現金がない家」ほどもめる深刻な理由

~すべての対策は現状を知ることから~
「うちは家と少しの預金しかない。相続でもめるほどの財産ではない」そう思っていた…… その油断が、家族の絆を壊す引き金になることがあります。
 
土地の評価が上がり、いざ相続となると「売って分けられない」「現金が足りない」となった結果、“誰が金を出すんだ問題”が勃発し、きょうだいの関係に亀裂が入るというケースがあります。いま、そのような「家しかない相続」で悩む家庭が静かに増えています。
 

「うちは大した財産ではない」その思い込みが危険!

日本の家庭の資産は、家という“形ある財産”に多くが集中しています。しかし、いざというときに使える現金が足りず、「家はあるのにお金がない」という状況に陥る人が少なくありません。
 
家を売らずに相続する場合、その家を引き継ぐ人は他のきょうだいに“代償金”を支払う必要がある場合があります。代償金とは、「家をもらう人が、他のきょうだいに公平を期すために手渡す現金」のことです。
 
しかし、その代償金を用意できなければ遺産分割協議が進まず、相続は止まってしまいます。この“代償金の壁”が、「介護費用を立て替えた」「払ってもらえない」といったわだかまりを生み、やがて“きょうだいの憎しみ合い”に変わるケースも少なくありません。
 

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相続で迷ったら専門家に相談することも選択肢

相続で迷ったら家族だけで解決しようとせず、専門家に相談することも一案です。
 
例えば、不動産相続に特化したファイナンシャル・プランナー(FP)の仕事は、ただ、保険や金融商品を売ることでも、節税策を並べることでもありません。まず取り組むのは、現状の“見える化”=棚卸しです。その方の全体の資産背景をひもとくことから始まります。
 
不動産の評価はいくらか、名義は誰か、預貯金や保険、ローン残高、固定資産税や維持費はいくらか…… 現状を知らずに対策を講じても、それは目的地も現在地も分からないまま出発するカーナビのようなものです。
 
さまざまな情報を整理してはじめて、「何が足りないのか」「どんな備えが必要か」が見えてきます。すべての対策は、この“現在地を知ること”から始めることが必要なのです。
 

“お金を動かせる仕組み”を整えるのはそのあと

現状を把握したうえで、次のステップが見えてきます。まずは、自分の生活資金が途切れないように、お金を動かせる仕組みを整えましょう。なぜなら、自分のお金を一生、自分のために使える状態を保つことこそが、きょうだいが介護費用や代償金で争うことを防ぐ第一歩になるからです。
 
具体的には、生命保険の非課税枠を活用して、代償金として使える現金を準備することや、不動産の一部を売却して維持費や税金をまかなう資金を確保するなど、「動かせる資産」を増やすことで、安心して暮らし続けるための現実的な方法を組み立てていきます。
 
お金を“貯めておく”ことよりも、自分の意思で“動かせる”ようにしておくことが、自分を守り、家族を守る最も確かな備えです。
 

相続は「心」の問題でもある!

「うちは大した財産ではない」と思っている人ほど、まずは自分の“現実”と向き合うことが大切です。財産をどう分けるかではなく、「家族に何を残したいか」「どんな未来を描きたいか」を考えることこそ、本当の相続対策の第一歩です。
 
困ったときはFPなどの専門家を頼り、現状を把握し、理想の姿との“差”を埋める道筋を描くことが必要です。家族が安心して暮らせる未来のために、まずは“現状を知る”ところから、一緒に始めてみませんか?
 
執筆者 : 稲場晃美
お金と不動産相続のコンシェルジュ
宅地建物取引士・AFP・住宅ローンアドバイザー・相続診断士

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