実家を整理していたら、身に覚えのない「自分名義の通帳」を発見! 親が「児童手当」のお金を使わずにずっと貯めてくれていたそうなのですが、私名義の口座ならこのまま受け取って問題ないですよね?
本記事では、児童手当の基本制度から名義・税務・相続の観点まで整理し、安心して受け取るために知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
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目次
身に覚えのない「自分名義の通帳」が発見されたときにまず確認すべきこと
身に覚えのない通帳を見つけたら、まず開設時期や入出金の履歴を確認しましょう。入金がいつ始まり、どのような資金が入っていたのかを確かめることで、本当に児童手当が貯まっていたのか、それとも親が自分の資金を子ども名義にしていたのかを判断できます。
また、通帳や印鑑を誰が管理していたかも重要です。自分が知らないうちに親が管理していた場合、形式上は自分名義でも実質は「親の資金」とみなされる可能性があります。
まずは「名義」「開設時期」「入出金の実態」「親の意思」の4点を確認し、記録を残しておくことが大切です。
児童手当の制度と「誰のものか」の基本ルール
児童手当は、対象となる児童を養育する親などが受け取るもので、支給先は原則として親名義の口座です。制度上、子ども名義の口座に直接振り込まれることは基本的に認められていません。
つまり、自分名義の通帳に「児童手当を貯めておいた」としても、実際には親が受け取った後に振り替えて貯金していた可能性が高いということです。
この場合、そのお金は「子どものために積み立てていた親の資産」として扱われることがあります。制度上「児童手当=子どもの財産」とはならないため、受け取る際には慎重な確認が必要です。
名義が子ども=自分でも、税務・相続の観点で注意が必要
自分名義の通帳でも、親の資金から積み立てられた場合は「名義預金」とみなされることがあります。
名義預金とは、名義は子どもでも実質的な管理者が親である預金のことで、相続時には親の財産として扱われる可能性があります。また、親が「子どものために貯めていた」場合でも、一定額を超えると贈与とみなされ、贈与税の対象になる場合もあります。
そのため、安心して受け取るには「誰の資金か」「贈与の意思があったか」「通帳や印鑑を誰が管理していたか」などを確認しておきましょう。親と一緒に入出金の経緯を整理し、可能であれば「このお金は子どもに贈与した」旨をメモや書面に残しておくと、後のトラブルを防げます。
金額が大きい場合は、税理士など専門家に相談しておくと安心です。
まとめ:安心して受け取るために、今できること
身に覚えのない自分名義の通帳を発見したときは、「名義が自分だから安心」とは限りません。
児童手当は本来、児童を養育する親などが受け取り管理する制度であり、その後の貯蓄が誰の財産になるかは、管理状況や意思表示によって異なります。
親があなたのために貯めてくれていた場合は、その経緯を一緒に確認し、必要であれば「贈与」として整理することで、税務上のリスクを減らせます。
通帳や印鑑の管理者、入金の出どころを明確にし、書面などで意思を残しておけば、将来の相続時にも安心です。大切に貯めてくれた気持ちを受け取りつつ、法的にも安心できる形で管理していきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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