70代独身、弟はいますが絶縁状態……自分の死後が不安です。私の葬儀や納骨、遺品整理は、やはり弟に頼むしかないのでしょうか?

配信日: 2025.10.31
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70代独身、弟はいますが絶縁状態……自分の死後が不安です。私の葬儀や納骨、遺品整理は、やはり弟に頼むしかないのでしょうか?
身寄りのないひとり暮らしの高齢者が増加傾向にあります。なかには「自分の死後はどうなってしまうのだろう」と不安を抱えている人もいるでしょう。身寄りがなかったり頼れる人がいなかったりする場合、自分の死後はどのように考えておいたら良いのか、FPがアドバイスします。
仁木康尋

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

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死後事務

人が亡くなると、葬儀、各種届け出、財産整理、各種契約の解約など一連の事務手続きが発生します。これらのことを死後事務といいます。代表的なものを以下に紹介します。
 

・死亡の確認と関係者への連絡
・死亡診断書の請求受領
・行政手続き(死亡届、火葬許可証取得、健康保険・年金関係)
・葬儀、火葬等の手続き
・納骨・永代供養などの手続き
・家賃、医療費、入院費、福祉施設利用料など各種費用の清算
・公共料金等の手続き
・インターネット・Wi-Fi 等の解約、固定電話、携帯電話、NHK等の解約に関する手続き
・部屋・病室などの整理
・遺品の処分

 
以上のように、死後の手続きは葬儀や納骨、遺品整理だけでなく、行政手続きや各種契約の解除手続きや各種費用の清算などさまざまな手続きをしなければなりません。
 
通常は、相続人がこれらの事務を行うことになりますが、相続人以外の人に死後事務を任せる方法があります。それが死後事務委任契約という方法です。
 

死後事務委任契約

死後事務委任契約は、相続人以外の親族・友人・内縁関係にある知人・事業者等(行政書士、司法書士、弁護士など)に死後事務を委任する契約です。 死後事務のうち何を委託するか、委託の範囲と内容を明確にして公正証書で契約を結びます。費用は発生しますが、死後の事務手続きに関する心配はなくなります。
 
事業者等に委任をする場合の費用相場は以下のとおりで、葬儀費用など各種手続きにかかる実費は別途自己負担となります。
 

・死後事務委任契約書作成と公正証書化のための費用……約30万円
・死後事務委任報酬……約50万円~100万円
・公証役場の手数料……約1.1万円
・その他……預託金(各種手続きにかかる実費概算等により異なる)

 

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身寄りのない方向けの社会福祉協議会

なお、身寄りのない方については、各自治体で支援事業を行っている場合があります。各地の社会福祉協議会(社協)が独自のサービスとして、身寄りのない方や親族と疎遠な方などが、亡くなった後の葬儀・埋葬、役所への届け出、家財の処分といった諸手続きを代行する事業を行っています。
 
サービスの内容、費用、利用条件などは、地域の社会福祉協議会によって異なります。また、すべての社会福祉協議会が死後事務委任事業を行っているわけではないため、お住まいの地域の社会福祉協議会に確認する必要はあります。
 

<事例1>足立区社会福祉協議会の例  ~おひとりさま死後事務支援事業~

・令和7年4月より開始
・葬儀(火葬)、納骨、家財処分、未払い金の清算手続きなどを行う
・少額短期保険を利用したサービス
・月額利用料 3000円~7500円
・利用できる方
(1) 区内に居住する40歳以上90歳未満の方(契約後は90歳以降も更新可)
(2) 支援できる親族がいない方
(3) 契約能力を有する方
(4) 生活保護を受給していない方
(5) 保険申込要件に該当する方(要介護3以上、認知症診断のある方、がん完治5年経過していない方は契約できない)
 

<事例2>高松市社会福祉協議会の例 ~見守りあんしんサポート事業~

・葬儀、埋葬、家財処分、未払い金の清算手続きなどを行う
・月額料金 1万2000円~ 別途契約時事務手数料として5万円
・利用できる方
(1) 区内に居住する方
(2) 単身で70歳以上の方、または本人を含む同居のご家族がすべて70歳以上の方
(3) 契約内容を理解し、利用を希望される方
 

まとめ

このように絶縁状態になってしまっているご兄弟に頼らなくても解決する方法はあります。友人や知人という選択肢もありますが、先に亡くなってしまうことも考えられるため、事業者等にお願いすることを考えたほうが安心です。
 
その場合には、まず地域の社会福祉協会に相談をしてみましょう。その上で司法書士やサービス事業者にも相談をして、費用面も含めて自分にあった委任先を見つけていただければと思います。
 
なお、契約によっては預託金を事前に支払う場合もあります。その場合には、預けた預託金を自社管理ではなく信託口座に預ける方式で管理をしているかも必ず確認をしましょう。
 

出典

足立区社会福祉協議会 おひとりさま死後事務支援事業
足立区社会福祉協議会 安心して人生の最期を迎えませんか?
高松市社会福祉協議会 見守りあんしんサポート事業
 
執筆者 : 仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

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