幼稚園の送迎に「Nワゴン」が欲しいです。親が「結婚・子育て資金の一括贈与」で援助してくれるのですが、車の購入費“150万円”も非課税枠に含まれますか?

配信日: 2025.11.04
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幼稚園の送迎に「Nワゴン」が欲しいです。親が「結婚・子育て資金の一括贈与」で援助してくれるのですが、車の購入費“150万円”も非課税枠に含まれますか?
政府は、両親や祖父母から子や孫の結婚や出産を援助するお金を援助する場合、一定金額を非課税にする制度を2015年4月に創設しました。具体的には結婚・子育て資金の一括贈与が1000万円まで非課税となる制度で、ほかの贈与方法よりも課税額が大きく緩和されています。
 
掲題のケースでは、両親や祖父母から資金援助を受けて子どもを幼稚園に送迎する車の購入を考えているようです。この費用を両親や祖父母から援助してもらう場合、非課税になるのでしょうか。
 
本記事では贈与税の非課税制度と、その対象範囲や控除額、車の購入費用が非課税の対象に含まれるのかを解説します。
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そもそも「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」ってどんな制度?

まず、若年層の抱える将来の経済的不安が、結婚・出産を躊躇(ちゅうちょ)させる大きな要因となっている社会的背景があります。そこで、政府は「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」を創設しました。
 
目的は、両親や祖父母の資産を子や孫へ早期に移転させることで、結婚・出産・子育てを支援することです。そのため、対象になる資金は、用途が結婚・出産・子育てに関わる費用に限定されます。
 
結婚・出産・子育てを主な使途とした贈与が、1000万円まで非課税になるのが「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」です。そのうち、結婚関係の資金は300万円までが非課税になります。
 
ただし、制度の利用には、金融機関で贈与を受ける専用口座の開設が必要です。
 

“非課税”の対象になるのはどんな費用?「車」も含まれる?

非課税の対象になる費用は、主に2種類の用途に分かれます。
 

・結婚に関係する費用:婚礼費用、家賃、引っ越し代
・妊娠、出産、子育ての費用:不妊治療費、妊娠・出産費用、産後ケア費用、こどもの医療費や育児の費用

 
では、上記の対象に「車」の購入費用は含まれるのでしょうか。
 
幼稚園の送迎は、確かに「子育て」関係の用途です。非課税になる子育て費用は、こども家庭庁の資料に以下のような規定があります。
 

・費用の支払先:幼稚園、保育所(認可・認証・指導監督基準を満たす認可外)、認定こども園、児童福祉施設など
・未就学児までが対象

 
つまり、幼稚園や保育所に対して支払う費用が非課税の対象となるため、車の購入費用や維持費用は含まれない可能性が高いでしょう。
 

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“110万円”を超える「車」は贈与税の対象となる可能性が高い

「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」以外に、N-WGNの購入費用を非課税の贈与で賄える方法はあるのでしょうか。非課税の規定がある贈与制度を2つ挙げます。
 

・暦年贈与:1年間に受けた贈与額が110万円の基礎控除額まで非課税になります。
・都度贈与:扶養義務者から教育費や生活費の必要額を必要時に贈与する場合は非課税になります。ただし、必要範囲を超えた用途は課税されるため注意が必要です。

 
2025年10月時点における「N-WGN L」の価格は「157万6300円(消費税込み)」です。
 
暦年贈与では、購入費用が贈与税の基礎控除額110万円を超えるため、課税対象となる可能性が高いと考えられます。また、都度贈与では扶養義務者からの贈与が対象であり、車の購入費用は通常の日常生活に必要な費用にも該当しないため、非課税にはなりません。
 

まとめ

「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」の目的は、若年層が結婚や子育てをためらう経済的不安の払拭(ふっしょく)です。大きな非課税額はメリットですが、資金使途が結婚と子育てに限定されるうえ、贈与の受け取りには専用口座の開設が必要となります。
 
車の購入費用は、制度の資金使途に含まれず、暦年贈与の基礎控除額である年間110万円を超える際も非課税にはなりません。どうしても非課税枠に納めたい場合は、中古車を購入するなど費用を抑える必要があるでしょう。
 

出典

国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
本田技研工業株式会社 N-WGN
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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