結婚式で受け取った「ご祝儀150万円」に税金はかかる? 銀行に全額入金しても問題にならないでしょうか?

配信日: 2025.11.17
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結婚式で受け取った「ご祝儀150万円」に税金はかかる? 銀行に全額入金しても問題にならないでしょうか?
結婚式を挙げると、お祝いとしてご祝儀を受け取ることが一般的です。一方で、ご祝儀を多く受け取ると「贈与税がかかるのではないか?」と心配になる方もいらっしゃることでしょう。
 
贈与税は贈与を受けた財産の価格に応じて課税されますが、課税されない財産があることをご存じでしょうか。そこで本記事では「贈与税がかからない財産とはどのようなものか?」「ご祝儀に税金はかかるのか?」について解説します。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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贈与税がかからない財産とはどのようなものか?

贈与税は、相続税法第21条(贈与税の課税)に「贈与税は、この節及び次節に定めるところにより、贈与により財産を取得した者に係る贈与税額として計算した金額により、課する」と規定されており、贈与を受けた人が贈与税を支払います。当然、この「財産」には金銭(お金)も含まれます。
 
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の課税価格から基礎控除110万円を控除し、控除後の金額に所定の税率を乗じて計算するのが一般的です(これを「暦年課税」といいます)。このため、「110万円までなら贈与税はかからない」といわれています。
 
このように、贈与を受けた財産は基本的には贈与税の課税対象となりますが、課税対象外とされる財産もあります。これは「贈与税の非課税財産」として相続税法第21条の3に規定されています。
 
ここに規定されている「贈与税の非課税財産」は、以下のとおりです。
 

(1)法人からの贈与を受けた財産
(2)生活費や教育費など通常必要と認められるもの
(3)公益事業のために受けた財産
(4)「特定公益信託」から受けた金品
(5)条例・政令に基づいて給付金を受ける権利
(6)選挙運動に関し法律に基づいて受けた財産

 
これらに該当する財産については、贈与を受けても贈与税が課税されないということになります。
 

ご祝儀に税金はかかるのか?

前項の「贈与税の非課税財産」の中に、「ご祝儀」またはそれに近い言葉は含まれていません。強いていえば(2)が該当しそうですが、このあたりをどう解釈したらよいかについて、このままでは判然としません。
 
そこで参考にしたいのが「法令解釈通達」というものです。これは、税法の解釈について国税庁が定めた、いわゆる指針です。抽象的な税法の規定に対し、具体的な判断基準を提供してくれます。
 
ご祝儀が贈与税の課税対象となるかどうかについては、相続税法基本通達(第21条の3《贈与税の非課税財産》関係)「社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い(21の3-9)」が参考になります。
 
ここには「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする」とされています。
 
このことから、ご祝儀には税金(贈与税)がかからないといえそうです。ただし、「社会通念上相当と認められるもの」という点には注意しなければなりません。「社会通念上相当」とは、「一般常識からみて妥当」ということです。
 
例えば、「ご祝儀150万円」の内訳が「3万円×50人」と「(120万円×1人)+(3万円×10人)」では、捉え方が異なります。1人当たりのご祝儀が3万円であれば「社会通念上相当」と認められ、贈与税は課税されないでしょう。しかし、120万円のご祝儀については「社会通念上相当」とは認められず、贈与税が課税される可能性があります。
 
もし両親や祖父母からの結婚祝いで贈与税の課税が心配ならば、300万円まで非課税となる「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の利用を検討してみるといいでしょう。
 

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まとめ

本記事では「贈与税がかからない財産とはどのようなものか?」「ご祝儀に税金はかかるのか?」について解説しました。まとめとしては以下のとおりです。
 

・贈与税がかからない財産には、以下のようなものがある
(1)法人からの贈与を受けた財産
(2)生活費や教育費など通常必要と認められるもの
(3)公益事業のために受けた財産
(4)「特定公益信託」から受けた金品
(5)条例・政令に基づいて給付金を受ける権利
(6)選挙運動に関し法律に基づいて受けた財産
・ご祝儀は、一般常識からみて妥当な額であれば、贈与税は課税されない

 
受け取ったご祝儀の合計額が大きくても、1人当たりの金額が妥当なものであれば、贈与税は課税されません。反対に、1人当たりの金額が一般常識からみてあまりにも高額である場合は、贈与税が課税される可能性があります。
 
もし両親や祖父母から結婚祝いとして高額な資金を受け取るのであれば、「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の利用を検討してみるといいでしょう。
 

出典

デジタル庁 e-GOV 法令検索 相続税法
国税庁 法令解釈通達 第2節 相続税 第21条の2《贈与税の課税価格》関係
国税庁 法令解釈通達
国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
こども家庭庁 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
 
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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