孫の大学進学のために貯めた300万円を贈りたいです。贈与税をかけずに渡せる方はありますか?

配信日: 2025.11.20
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孫の大学進学のために貯めた300万円を贈りたいです。贈与税をかけずに渡せる方はありますか?
孫の成長を見守りながら、「大学進学の時にお祝いとして資金を渡してあげたい」と考える方は多いでしょう。しかし、ここで気になるのが贈与税です。孫への援助が「贈与」とみなされる場合、税金が発生することもあるからです。
 
本記事では、贈与税をできるだけかけずに300万円を渡すための方法を、分かりやすく解説します。
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贈与税の基本を理解する

まず知っておきたいのは、贈与税の基本ルールです。
 
贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日)に個人から贈与された財産の合計額が110万円を超えた場合に課税されます。つまり、年間110万円までは非課税で贈与できます。
 
たとえば、孫に300万円を一度に渡すと、110万円を超える部分の190万円が課税対象となり、受け取った側の孫が贈与税を払わなければなりません。税率は累進制で、金額によって10%〜55%と幅があります。
 
つまり、何も考えずに渡してしまうと、せっかくの好意が税金で目減りしてしまう可能性があるのです。
 

年間110万円の基礎控除を活用する

最もシンプルな方法は、数年に分けて贈与する方法です。たとえば、以下のように分割して渡せば、贈与税がかかりません。
 

・1年目 110万円
・2年目 110万円
・3年目 80万円

 
このように3年に分けて渡すと、全額が非課税になります。
 
ただし、「形式的に金額だけ分ける」のはNGです。実際に年ごとに贈与契約を交わし、贈与の都度、孫の名義口座に振り込むなど、実態のある贈与であることが重要です。
 

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教育資金贈与の非課税制度を利用する

次に検討したいのが、教育資金贈与の特例です。これは、祖父母などが孫に教育資金を一括で贈与した場合に、最大1500万円まで非課税になる制度です(金融機関を通じて行う必要があります)。
 

<制度のポイント>

・30歳未満の孫が対象
・2026年3月31日まで適用
・学費や入学金、教材費、通学費など教育関連の支出に限られる
・「教育資金非課税口座」を金融機関で開設し、そこに入金する
・支出時には領収書を提出する必要あり

 
この制度を使えば、300万円を一括で孫に渡しても贈与税はかかりません。
 
ただし、孫が30歳になる時点で残金があれば、その時点で課税対象となるため注意が必要です。
 

直接の学費支払いも非課税

意外と知られていませんが、祖父母が直接学校へ学費を支払う場合は、贈与税がかかりません。
 
たとえば、「孫の入学金30万円を大学に直接支払う」「授業料を一学期ごとに支払う」といったケースです。
 
この方法は、教育資金贈与の特例とは別枠で認められており、金額の上限もありません。ただし、あくまで学校に直接支払うことが条件です。孫の口座にお金を振り込んで孫が支払う場合は、贈与とみなされます。
 

形式だけの名義変更は危険

「孫名義の口座を作って、そこに貯金しておけば大丈夫」と考える人もいますが、これは名義預金とみなされる恐れがあります。
 
孫名義の口座でも実際には祖父母が管理していて、孫が自由に引き出せない場合、贈与が成立していないと判断されることがあります。非課税を意識するなら、「贈与の実態を明確にする」ことが大切です。
 

最適な贈与プランを立てよう

300万円という金額は、教育支援としてはとてもありがたいものですが、税制上の取り扱いを誤ると不利益を受けることもあります。
 
次のようなステップで計画を立てるのが理想的です。
 

1.贈与の目的(学費、生活費、祝い金など)を明確にする
2.贈与時期と金額を年間110万円以内に収めるか、一括贈与制度を使うかを検討
3.金融機関や税理士に相談し、最適な方法を選ぶ

 

孫の進学支援は、家族の愛情を形にする素晴らしい機会

贈与税をうまく回避するためには、「分割贈与」・「教育資金贈与の非課税制度」・「直接支払い」などの方法を上手に組み合わせることがポイントです。
 
300万円という金額でも、適切な方法を取れば全額を非課税で渡せます。税制の仕組みを正しく理解し、孫が安心して学べる未来のために、賢くサポートしていきましょう。
 

出典

国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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